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子どもから見た近現代

 近代社会の成立と特徴については、さまざまな論点が可能であるが、その一つに近代的な子ども観や家族観(近代家族)を挙げることができる。これは、歴史学の方法論的な進展がもたらした研究成果に基づくものであり、キリスト教という近代以前から近代以降にまたがる宗教伝統を理解する上で、特に重要である。
 たとえば、それは物語における子ども(子どもイメージ)の変遷からも分析可能であり、さらには、国民国家間の比較も可能と思われる。この点から、次の著書は興味深い。

天野知恵子
『子どもたちのフランス近現代史』
山川出版社、2013年。、

「物語」をとおして子どもの歴史をたどる
第1章 十七~十九世紀の子どもと家族のイメージ
  「赤ずきん」が語ること
  十八世紀の「良い子」たち
  「鉄道文庫」の小さなヒロインたち
  地図を手にする子どもたち
  母性の時代の母親像
第2章 十九世紀民衆世界の子どもたち
  パリのガヴローシュ
  農村に生きる子どもたち  
  農村における初等教育の広がり
  工場や炭坑で働く子どもたち
  子どもの「保障」から「国民」の育成へ
第3章 「大戦間」の日々
     第一次世界大戦とフランスの子どもたち
第4章 「占領期」の生と死
     第二次世界大戦期フランスの子どもたち
あとがき

索引/関連年表/参照・引用文献/図版出典一覧

 こうしたフランスの子どもイメージと、あまりかの家族小説の子どもを比較すると何が見えるだろうか。 
 
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今後(年内)の予定

10月になりました。授業すでに開始され、仕事のリズムにも慣れてきましが、年内に、予定されているそれ以外の仕事をまとめておきます(自分のためのメモです)。

・奈良高畑教会・社会生活を考える公開講演
  10月30日(日)、奈良高畑教会にて(対面+YouTube) 
  講演「キリスト教と民主主義」

・日本生命倫理学会・学術大会(11/19-20。関西学院大学)
  19日には、シンポジウム
  「安楽死問題における〈当事者〉とは誰か?―医療および社会・文化的文脈をふまえて―」に提題者の一人として参加します。
   提題「キリスト教と安楽死」

・日本学術会議哲学委員会主催シンポジウム(12/10。zoomウェビナーにて)
  シンポジウム「今、なぜ「国家」が問われるのか?」の趣旨説明と提題も担当します。
   提題「宗教にとって国家とは何か──その歴史と展望」 

・京都大学キリスト教学研究室創立100周年シンポジウム
   (12/17。対面とzoomのハイブリッドの予定)
   司会者・趣旨説明としての参加です。

・キリスト教教育研究集会(12/27。関西学院高等部)
   講演「キリスト教教育の意義と可能性」 

 そのほか、10月29日(土)は宗教倫理学会・学術大会。こちらは参加など、いろいろ。
 
 

宣教論について

 関西学院大学神学部に赴任してから、特に今年度は、「宣教」というテーマで話をする機会があり、これまでの研究の連関も意識しつつ、この問題について考えることになった。そのこともあり、今回、宣教研究についての文献を入手したので、紹介したい。掲載論考がかなりの数(40章)にのぼるので、「部」についての記載にとどめたい。

Kirsteen Kim, Knud Jørgensen, and Alison Fitchett-Climenhaga (eds.),
The Oxford Handbook of Mission Studies,
Oxford University Press, 2022.

Acknowledgments
List of Contributors

Part I: Mission Studies as a Discipline
Part II: Mission Studies and Theology
Part III: Studies of Mission Practice
Part IV: Christian Mission and History
Part V: Christian Mission and Cultures
Part VI: Christian Mission and Religions
Part VII: Christian Mission and Society

Index

 宣教研究の広がりは、以上のタイトルだけからも、想像できるであろう。


宣教師が日本にもたらしたもの

明治以降の日本には多くの宣教師が訪れ、多くの業績・足跡を残した。現代の日本人は、きわめて多くのものを宣教師の働きに負っている。その中に、医療を含めることが可能であり、今回取り上げるのは、宣教師と日本の医療の全体像に迫る試みである。

藤本大士
『医学とキリスト教──日本におけるアメリカ・プロテスタントの医療宣教』
法政大学出版局、2021年。

判例
序章 アメリカ・プロテスタントの日本宣教と医療宣教
第一章 医療宣教の始まり
第二章 医療宣教の広がり
第三章 医療宣教の変化
第四章 女性医療宣教師
第五章 宣教看護婦
第六章 セブンスデー・アドベンチスト教会の医療宣教
第七章 アメリカ聖公会の医療宣教
第八章 民間からの戦後医療改革
第九章 戦後の医療宣教
終章 医学史・ミッション史におけるアメリカ人医療宣教師

あとがき
文献リスト

事項索引
人名索引

なお、本書は日本基督教学会・学会誌『日本の神学』61号に書評が掲載されている。

キリスト教教育というテーマ

 キリスト教教育は、キリスト教に関して教育するという意味では、京都大学におけるキリスト教学研究室提供の授業もそれに含まれ、また家庭における教育も無関係ではない。しかし、キリスト教教育を、キリスト教信仰の立場を前提に、いわゆるキリスト教主義という意味で言えば、それは神学部やミッションスクール、キリスト教主義学校のテーマであると言わねばならない。この問題について考える手がかりになる文献を紹介したい。

朴憲郁
『現代キリスト教教育学研究──神学と教育の間で』
日本キリスト教学出版局、2020年。

推薦のことば──序文に代えて
  (芳賀力)
凡例

第Ⅰ章 聖書神学の視点
第Ⅱ章 教会教育の視点
第Ⅲ章 神学諸分野の視点
第Ⅳ章 神学教育の視点
第Ⅴ章 キリスト教教育学の視点
第Ⅵ章 信仰の教育の視点
第Ⅶ章 人間形成の視点──「神の像」概念から
第Ⅷ章 モラル教育の視点
第Ⅸ章 キリスト教学校の視点
第Ⅹ章 社会・民族・国家の視点

初出一覧
あとがき
人名索引
事項索引

東京神学大学でキリスト教教育学を長年担当し、現在は山梨英和大学の院長・学長を務めている筆者ならでは、力のこもった著作であり、学ぶべき点が多々ある。
  
プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 本ブログは、2013年度以降に、芦名定道を代表者として交付を受けた科研費による研究内容を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。この間、ブログのタイトルは、「自然神学・環境・経済」から、「自然神学・宗教哲学・自然哲学」へと変化したが、趣旨は一貫しており、かなり自由にさまざまな問題を取り上げきました。2021年4月より、このブログの作成者は、所属する大学が変わりましたが、当面は、同様の内容でこのブログを運営する予定です。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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