大学院進学説明会、東京会場

 わたくしが担当しているキリスト教学が属する、京都大学文学研究科・思想文化学系では、今年度から、大学院進学説明会を開催しています。一回目はすでに、京都大学文学部を会場に行われましたが、9月には、東京で行うことになりました。
 概要は以下の通りです。関心のある方・ありそうな方に、情報を拡散下さい。

京都大学大学院文学研究科
思想文化学系・大学院進学説明会(東京会場)


日時:9月23日(土)13時から17時まで予約(12時30分から入室可)
会場:日本教育会館(神保町駅下車徒歩3分) 第3会議室(81名収容)


 プラグラムの詳細は未定ですが。5月13日(土)に、京都大学で開催の説明会のプログラムは以下の通りでした。基本的に同様のプログラムになるものと思われます。
 詳細が確定しましたら、改めて、ご案内します。

「思想文化学系では、本年度からの新しい試みとして、大学院進学説明会を開催することとなりました。学年、学部、学内外を問わず、どなたでも参加できます。皆様のお越しをお待ちしています。※事前の申し込みは必要ありません。

日時:2017年5月13日(土) 14:00〜17:00
場所:京都大学文学部 第1・2講義室 (吉田キャンパス文学部校舎)

【プログラム】
第1部 全体の説明
1.思想文化学系の魅力
2.各専修・教員の紹介
3.学生生活について
4.学生支援について
5.海外との交流について
6.修了後の進路について
7.入学者選抜試験について
8.質疑応答

第2部 各専修に分かれての説明
各専修にわかれて、選択可能な研究テーマ、修了後の進路、選抜試験に向けた勉強の方法など、より詳細な説明を行います。」
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「性」の神学の条件

 現代のキリスト教思想では、「性」の神学とでも名付けうる思想的試みが進行中である。そもそも、「性」はキリスト教の中心に位置しつつも、顕わな適切な仕方で主題化されないままに長い時間が経過していた(もちろん、先駆的あるいは断片的な取り組みは存在した)。しかし、今や、「性」は教派的な相違を超えてキリスト教思想の争点となりつつある。「性」をめぐる見解によって、キリスト教世界が二分されることもあり得ることかもしれない。
 その直接的で最初の文脈の一つとなったのは、ファミニスト神学であることは言うまでもないが、今や、フェミニスト神学の従来の枠組みでは整理できない、きわめて多様な形態の「性」の現実が問題化している。文化の基礎をなしてきた二分コードが由来であるとも言えるし、20世紀の「自然と文化」をめぐる議論が一つの帰結に達しつつあるとも、言えるかもしれない。
 こうした問題状況に神学・キリスト教思想として取り組み際の基盤の一つは、「聖書」に求められることになり、フェミニスト神学以来、聖書学はその点で焦点を形成してきた。しかし、聖書解釈だけで、めざすべき「性」の神学を構築するには不十分である。決定的にたりないのは、性をめぐる科学的知見との接続である。つまり、性差の科学を無視しては、「性」の神学はその基盤を確かにすることはまったくおぼつかないであろう。
 性差の科学としては、本ブログでも、以前に次の文献を紹介したことがあったように記憶している。

板東昌子、功刀由紀子編
『性差の科学』
ドメス出版、1997年。

 しかし、より最近の議論を含むものとして、以前は、『性差科学の最前線』(性差の科学編集委員会、2011)がWeb上からダウンロードできるようになっていた。現在はどうだろうか。もし、ダウンロードが難しい場合は、「京都大学男女共同参画推進センター」の次の頁などを参照。
http://www.cwr.kyoto-u.ac.jp/about/works.html

 聖書、科学、現実=フィールドの三者を踏まえた「神学」が求められている。

キリスト教研究と事典・辞典4

 キリスト教研究に関連した代表的な辞典と言えば、なんと言っても、RGGであろう。わたくしの学生時代は、第三版のお世話になり、後に、Studienausgabeを入手し、現在も研究室においてある(最近は使うことがほとんどなくないった)。
 現在は、2007年に完結した、第四版である。

Hans Dieter Betz, Don S. Browning, Bernd Janiwski, Eberhard Jüngel (Hrsg. von),
Religion in Geschichte und Gegenwart. Handwörterbuch für Theologie und Religionswissenschaft
Vierte, völling neu bearbeitete Auflage
Band 1 A-B,
Mohr Siebeck, 1998.

 Registerの別巻以外に、全8巻の辞典であり、刊行には10年ほどの時間を要している。昨日、紹介したTREほどではないが、ドイツの神学・宗教研究の水準をあらわすものである。
 基本的用語の分析について、修士論文、あるいは博士論文でも、研究対象の思想家のテキストにおいて自分で用語を丹念に収集分析するのではなく、辞書の引き写しで済ましている例が見られるが、RGGあたりになると、参照し、論文(もちろん、注で)で言及しても違和感はない。一般の語学事典で概念分析が済むくらいならば、研究も楽なものである。
 信頼のおける辞書をきちんと使いこなすこと、繰り返しになるが、これは研究の出発点で取得しておくべき事柄である(演習はその実践の場である)。

キリスト教研究と事典・辞典3あるいはアフリカのキリスト教5

 今回は、キリスト教研究と事典・辞典とアフリカのキリスト教の接点を扱います。
 アフリカのキリスト教について研究を行うにも、事典・事典はそのスタートして有用です。たとえば、アフリカの諸国家について、神学動向については、すでに本ブログで、紹介済みの次の事典・辞典が役に立ちます。

・デイヴィッド・B・バレット編『世界キリスト教百科事典』教文館、1986年(原著は、1982年)。
・David B.Barrett, George T.Kurian, Todd M.Johnson (eds.),World Christian Encyclopedia. A comparative survey of churches and religions in the modern world. Vol.1 second edition, Oxford University Press, 2001.
・ヴァージニア・ファヴェリア、R.S.スギルタラージャ編『〈第三世界〉神学事典』日本キリスト教団出版局、2007年(原著は、2000年)。

 しかし、もし、ドイツ語が読めるのならば、次の事典はきわめて詳細であり、有益である。やや古い(1977)のが難であるが、膨大な事典の第一巻であるから、しかたがない(最終巻である36巻目の刊行が、2004年)。大きな事典・辞典を編纂するということは、数十年単位で一貫して遂行されねばならない企画であり、事典・辞典はきわめて大規模な文化事業なわけである。近代的な知の典型と言えるだろう。
Theolosiche Realenzyklopädie, Band I. Aaron-Agende, Walter de Gruyter, 1977.
 わたくしが、自分の研究室で利用しているのは、Studienausgabe であるが、アフリカの項目は、640-747頁に及んでおり、新書一冊分は十分にある。
項目は、次の三つからなる。

I. Das christliche Nordafrika (2.bis 7.Jh.)
II. Missions- und Kirichengeschichte
III. Afrikanische Religionen

 この項目は、大はばな書き換えが必要な項目の一つであろう。
 新しい状況を反映した事典・辞典となると、やはり、Webを利用せざるを得ない。

キリスト教研究と事典・辞典2

 昨日のブログでは、現在作業が進行中の『キリスト教大事典』と触れた。比較的近年のキリスト教に関連した日本における企画による辞典としては、『岩波キリスト教辞典』『新カトリック大事典』が挙げられるであろう。前者は、ハンディな大きさで持ち運んでの使用が可能であるのに対して、後者は、全4巻(+補遺)で、それぞれが1000頁を超えるものであり(1996年から2009年まで、13年かけての完成である)、当然書架に設置して使用する(主には図書館での設置となるだろう。京都大学文学研究科図書室でも、閲覧室の開架書架に置かれている)。それぞれ誰がどのように使用するかを念頭に企画されたものと思われる。

 特に、後者の『新カトリック大事典』については、研究社オンライン・ディクショナリー(KOD)でオンラインとしての利用が可能になった(KODの会員契約+オプション辞書としての申し込みとのこと。すでに事典のみの申し込みも可能になっているだろうか)。

 以上から考えると、『キリスト教大事典』は何をめざすのかが問題になる。サイズからすれば、上に挙げた二つの辞典の中間的なものとなる。辞書は電子化にもっとも適した書籍であり、それは、『キリスト教大事典』についても当てはまるであろう。
 とすれば、今後は、出版サイドにも、電子化・オンライン化を前提にした辞書作成のノーハウの蓄積が求められることになり(電子化は、紙をPDFにするのとは基本的に別の作業のはずである)、これは、出版社にとっても重要な意味をもつことなるかもしれない。
 
 研究する者の立場からは、信頼がおける内容で、使いやすい、そして安価な辞書が求められる。わたくしのの学生時代には、大部な古典語の辞典(ギリシヤ語・英語辞典など)をコピーしていた人も存在していたように思われるが、もはや遠い昔の記憶である。 
 
プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、今後開設の別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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