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現代宗教学の基本文献30

 ウェーバーとトレルチは、きわめて有名な問題設定であり、多くの議論が存在し、この2回ほど取りあげてきた、柳父は、ウェーバーの視点から、この問題を扱っていると言える。それに対して、トレルチの視点から、ウェーバーとトレルチの相違に焦点を合わせることも可能であり、たとえば、次の文献は、こうした議論を確認する上でも、注目すべきであろう。

近藤勝彦
『キリスト教弁証学』
教文館、2016年。

はじめに
序章 弁証学の課題と方法

第一部人間学の文脈におけるキリスト教の弁証 
第二部 歴史の文脈におけるキリスト教の弁証
第三部 近代世界の文脈におけるキリスト教の弁証
  はじめに──第三部の意味
  第一章「近代世界とプロテスタンティズム」という問題
  第二章 マックス・ヴェーバーの問題提起
  第三章 エルンスト・トレルチの格闘
  第四章 パウル・ティリッヒにおける「プロテスタント時代」批判
  第五章 ヴォルフハルト・パネンベルクにおける「近代成立史」の問題
  第三部の結語
第四部 新しい日本の形成の文脈におけるキリスト教の弁証
第五部 世界共通文明の文脈におけるキリスト教の弁証


あとがき
人名索引

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現代宗教学の基本文献29

前回はウェーバー研究として、柳父圀近の研究書を紹介したが、紹介した2冊の文献のちょうど中間の時期の研究書を忘れていたので、追加しておきたい。

柳父圀近
『エートスとクラトス──政治思想史における宗教の問題』
創文社、1992年。

緒言 政治思想史における「魔術からの解放」

Ⅰ マックス・ウェーバーにおける政治と宗教
   ──Gemeidereligiositätと政治権力
Ⅱ 「専制神」と「解放のゲマインデ」
   ──ヤハウェスムスの精神構造
Ⅲ ウェーバーとトレルチ
   ──宗教社会学とドイツ精神史
Ⅳ 価値合成性と目的合理性
   ──プロテスタンティズム論における観点の交錯
Ⅴ マックス・ウェーバーの大統領制論
   ──「指導者民主主義」問題とエートス問題の乖離 
Ⅵ パウル・ティリッヒの政治思想
   ──「ユートピアの精神」と「ウルシュプルング神話」の間
Ⅶ 「原初物語」と社会有機体説
   ──マックス・ウェーバー研究の視座から
Ⅷ 天皇制伝統と政教分離
   ──精神と国家の成人性

あとがき
人名索引

現代宗教学の基本文献28

 ウェーバー研究文献を続けます。トレルチとの関わりを含めたウェーバー研究は、日本でもいくにんかの研究者が追求しています。たとえば、次の文献(さらに、ティリッヒやドイツ教会闘争が関連付けられています)。

1.柳父圀近
『ウェーバーとトレルチ──宗教と支配についての試論』
みすず書房、1983年。

序論


1 ウェーバーにおける支配と宗教
2 宗教社会学とドイツ精神(一)──ウェーバーとトレルチ
3 宗教社会学とドイツ精神(二)──トレルチとティリッヒ
4 カルヴァンと「隣人愛の非人間性」
  ──「プロテスタンティズムの倫理」論文第二章第一節


5 ウェーバーの宗教観──いわゆる「現世拒否」の概念をめぐって
6 ウェーバーにおける政治と学問
  ──«ヴェルトフライハイト»の問題として
7 トレルチとウェーバー──ひとつのスケッチ
8 ウェーバー研究と「近代人の疎外」──山之内靖『現代社会の歴史的位相』

あとがき

2.柳父圀近
『政治と宗教──ウェーバー研究者の視座から』
創文社、2010年。
 第二部では、ティリッヒ、戦後日本が扱われているが、以下では、ウェーバーに関わる第一部の目次のみを記載。


1 「政治と宗教」──ウェーバーの日本論にふれて
2 「魔術の園」と「二〇世紀の神話」の間で──マックス・ウェーバーにおける自由のエートス
3 マックス・ウェーバーと日本──「宗教社会学」と「支配の社会学」の交錯
4 マックス・ウェーバーにおけるLegitimitätsglaubeの意味──支配の「正統性」と「正当性」


現代宗教学の基本文献27

 ウェーバー研究書の続きです。わたくしの手元にも、ウェーバー研究に関連した研究書が一定程度所蔵されており、いずれ、自分の研究に活かせればと思いますが。

・住谷一彦
『近代経済人の歴史性と現代性』
日本基督教団出版局、1984年。

序章 「富」──物神崇拝の批判的視座
第一章 「禁欲」的エートスの歴史性と現代性
第二章 マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の現代的意義
第三章 マックス・ヴェーバーの思想的肖像
第四章 マルクスとヴェーバーにおける「人間」の問題──社会科学的認識と現代
中間的考察──「経済人」の類型論
第五章 環境汚染とホモ・エコノミクス──「私悪は公益」論への思想史的接近
終章 経済摩擦の根底に在るもの──経済合理性と市民的社会秩序

あとがき
刊行のことば

・W=シュルフター
『マックス・ヴェーバーの比較宗教社会学──宗教と生活態度』
風行社、2018年。

凡例
第一章 現世適応の合理主義──儒教と道教
第二章 現世逃避と有機体的相対主義の合理主義──ヒンドゥー教と仏教
第三章 現世支配の合理主義の起源──古代ユダヤ教
第四章 現世支配の合理主義の起源──古代キリスト教
第五章 現世征服と現世適応の間──初期イスラム
第六章 宗教、政治的支配、経済および市民的生活態度──西洋の特殊な発展

訳者あとがき
人名索引

現代宗教学の基本文献26

 ウェーバー研究書の続きです。
 日本のウェーバー研究において、とくに「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」に関連した研究として、重要なものに、梅津順一による一連の研究が存在する。わたくしも、しばしば参照するのは、この研究である。

・梅津順一
『近代経済人の宗教的起源──M.ヴェーバー R.バクスター A.スミス』
みすず書房、1989年。

 本書は、ウェーバー・テーゼをめぐる先行研究・研究状況を適格にまとめた上で、ウェーバーの論理を明快に取り出し、それをバクスターなどの歴史資料と付き合わせるという手続きを踏んだウェーバー研究であり、きわめて説得的な内容である。また、アダム・スミスルについての論述(第4章)も有益である。

・梅津順一
『ヴェーバーとピューリタニズム──神と富との間』
新教出版社、2010年。

 前著以降の、より最近のウェーバー研究の動向について知ることができます。
プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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