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ティリッヒ研究

 久しぶりのティリッヒ研究の紹介です。博士学位論文がもとになったもので、象徴論というティリッヒ研究ではこれまでも多くの研究がなされてきたテーマについて、初期文献(これまで象徴論というテーマでは扱われてこなかったものなど、これまでの象徴論研究では取り上げられなかった新しい文献が追加されています)から前期の形成過程たどったものであり、博士論文としての形は整っています。

Lars Christian Heinemann,
Sinn-Geist-Symbol. Eine systematisch-genetische Rekonstruktion der frühen Symbolthorie Paul Tillichs,
De Gruyter, 2017.

Vorwort

Einleitung

I Der Weg zum System
 I.1 Frühe Wegmarken
 I.2 Die Systematische Theologie von 1913

II. Kategoriale Grundlagen der Symboltheorie
 II.1 Reorientireung der Leitbegriffe im Hirsh-Briefwechsel (1917/18)
 II.2 Die Theorie des Sinnes
  II.2.1 Kulturtheologische Ansätze (1919/20)
  II.2.2 Systematische Ausarbeitung (1920-1923)
 II.3 Die des Geistes
  II.3.1 Ausformung der Theorie des Intentionalen Bewusstseins
  II.3.2 Ausgestaltung des Geistgedankens (1923-1927/28)

III. Die Symboltheorie
 III.1 Entdeckungszusammenhënge des Symbolbegriffs
 III.2 Grundaspekte des Symbolgedankens
 III.3 Der Transzendietungscharakter des Symbolischen

Abschießende Reflextionsgänge

Anhang
Zeittafel

Quellen- und Literatueverzeichnis
Siglen
Quellen
Sekundärliteratur

Personenregister
Schriftenregister
Sachregister
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ティリッヒ研究、神秘主義的伝統

 久しぶりのティリッヒ研究の紹介です。著者の長年の研究をまとめた、大著です。

菊地順
『ティリッヒと逆説的合一の系譜』
聖学院大学出会、2018年。

凡例

序論
 目的、研究史、方法、時代区分

第Ⅰ部 ティリッヒ神学の特質  
  第1章 ティリッヒ神学と「聖なるもの」 
     はじめに
     第1節 神学とキリスト教的「生」
     第2節 ティリッヒ神学とオットーの『聖なるもの』

  第2章 弁証学的神学の理念
     はじめに
     第1節 弁証的神学への自覚
     第2節 弁証的神学の理念

  第3章 弁証学的神学の構造
     はじめに
     第1節 体系の原理としての「究極的関心」
     第2節 水平的次元における「究極的関心」の探求
     第3節 『組織神学』と三位一体論

  第4章 実存主義的特質
     はじめに
     第1節 時代と歴史に見る実存主義
     第2節 狭義の実存主義
     第3節 ティリッヒと実存主義

第Ⅱ部 ティリッヒ神学と逆説的合一の思想
  第5章 初期ティリッヒにおける二つの原理と総合への道
     はじめに
     第1節 ティリッヒとシェリング
     第2節 シェリング第二論文と二つの原理
     第3節 シェリングにおける神秘主義
     第4節 シェリングにおける神秘主義と罪責意識との総合

  第6章 信仰義認論(一)──その背景と思想
     はじめに
     第1節 信仰義認論の背景
     第2節 信仰義認論の新たな展開
     第3節 信仰義認論の原理と特質

  第7章 信仰義認論(二)──恩寵としてのプロテスタント原理
     はじめに
     第1節 歴史的プロテスタンティズム
     第2節 原理的プロテスタンティズム(一)
           ──批判原理としてのプロテスタンティズム
     第3節 原理的プロテスタンティズム(二)
           ──形成原理としてのプロテスタンティズム

  第8章 認識における恩寵──存在論的認識の優位
     第1節 神認識の二つの道
     第2節 存在論的認識とその優位性
     第3節 存在論的認識と宇宙論的認識の相補性
   
第Ⅲ部 ティリッヒ神学と逆説的合一の系譜
  第9章 ティリッヒとアウグスティヌス──受動的逆説と能動的逆説
     はじめに
     第1節 アウグスティヌスにおける神秘主義
     第2節 アウグスティヌスにおける救済論
     第3節 ティリッヒとアウグスティヌス──受動的逆説と能動的逆説

   第10章 ティリッヒとルター──神秘主義をめぐって
     はじめに
     第1節 問題の所在
     第2節 ルター主義的神秘主義
     第3節 ルターと神秘主義
     第4節 ティリッヒとルター──神秘主義をめぐって

  第11章ティリッヒとフランシスカニズム──
     はじめに
     第1節ティリッヒとボナヴェントゥラ(一)
       ──〈参与〉(participation)をめぐって
     第2節 ティリッヒとボナヴェントゥラ(二) 
       ──をめぐって
     第3節 ティリッヒとフランシスカニズム

  終章
     はじめに
     第1節 ティリッヒ神学に対する検証─
       ─聖書的宗教と存在論をめぐって
     第2節 ティリッヒ神学に対する批判
       ──哲学と神学の総合をめぐって
     第3節 ティリッヒ神学に対する評価
       ──特に「解放の諸神学」から
     むすび──教義神学における神秘神学の回復

あとがき

ティリッヒ入門

 京都大学キリスト教学で授業を行う中で、京都大学に赴任してから数年は別にして、しばらくは、自分自身の研究の新しい展開を試みることとの関係で、学生時代から博士論文までの中心テーマであったティリッヒ思想を取り上げることが少なかった(やや意識して)。しかし、この5年ほどは、むしろ、ティリッヒを講義や演習で積極的に取り上げることが必要なのではないかという方向へ意識が転換し、学部授業の講読でもティリッヒの邦訳テキストを読むようになった(今年度も)。そうなると、ティリッヒについての入門的文献を紹介することも必要になり、久しぶりに手に取ったのが、次の文献である。

大島末男
『ティリッヒ』
清水書院、1997年。

ティリッヒについて──ティリッヒと私

Ⅰ ティリッヒの生涯
  第一章 夢みる楽園──本質(存在)
  第二章 混乱する世界──実存
  第三章 新しい大地──生

Ⅱ ティリッヒの思想──『組織神学』
  第一章 シェリング論
  第二章 『諸学の体系』
  第三章 宗教哲学
  第四章 組織神学序論
  第五章 理性と啓示
  第六章 存在と神
  第七章 神の実在性
  第八章 実存とキリスト
  第九章 キリストの現実性
 第一〇章 生と聖霊
 第一一章 歴史と神の国

あとがき
年譜
参考文献
さくいん

 大島さんとは、学会などで何度かお話ししたことがある。入門書とは言っても、独特の大島スタイルのティリッヒ論である。

ティリッヒと動物倫理

 久しぶりにティリッヒ研究の紹介です。後期ティリッヒ思想に特徴的な議論として、「多次元的統一体としての生」(生の次元論)が挙げられます。これは、従来は自然哲学として、あるいは医療・病・健康などの議論として論じられることが多くありましたが、その射程はかなり遠くまで及んでおり、近年、キリスト教思想でも注目の動物倫理との関わりも問題となって当然と言える。
 今回取り上げるのは、The Palgrave Macmillan Animal Ethics Series に収められたものであり、新しいティリッヒ研究の一領域としても注目したい。

Abbey-Anne Smith,
Animals in Tillich's Philosophical Theology,
Palgrave, 2017.

Series Editors' Preface (Andrew Linzey and Prischilla N. Cohn)
Acknowledgements

Part I An Exposition of Paul Tillich's Systematic Theology
1 Indroduction
2 The Shape of Tillich's System: A Methodological Introduction
3 Paul Tillich's Systematic Theology

Part II A Critical Examination of Key Tillichian Concepts and Their Adequacy in Relation to Nonhuman Animals
4 Tillich's Concept of Technical Reason
5 The Creator and Creation in Tillich's Systematic Theology
6 The Implications of Tillich's Christology for Animals and Creation in his Systematic Theology
7 The Multidimensional Unity of Life

Part III Positive Concepts in Tillich's Syetamatic Theology with Respect to Nonhuman Animals and Creation
8 An Examination of the Method of Correlation in Tillich's Systematic Theology 
9 The Concept of 'Universal Salvation'
10 Tillich's Interpretation of the Fall and Its Relevance to Creation and Animals
11 In Summary

Bibliography
Index

 文献表と注からみたところでは、本格的なティリッヒ研究ということではないようであるが(文献表と注からだけでも、研究のレベルはある程度判断できる。特に第一部は、一般的な概説)、本書からこの研究領域についての次の議論の展開は期待できるであろう。

ティリッヒ研究の動向

 久しぶりのティリッヒ研究の紹介です。
 京都大学のわたくしの演習では、昨年度よりアメリカ亡命期のティリッヒの講義録を取り上げていますが、これは、現在のティリッヒ研究の最新の動向の一つと言えるものです。前期ティリッヒから中期への思想展開をそこで分析することが可能であり、さまざまな新たな発見がなされています。といわれても、その内実はイメージしにくいと思いますが、わたりにくいかもしれませんが、まさにこの亡命期のティリッヒを扱った研究論集が刊行されました。現在のティリッヒ研究をリードする研究者が寄稿していますが、その分析力はどの程度でしょうか。

Christian Danz und Werner Schüßler (herausgegeben von),
Paul Tillich im Exil (Tillich Research 12),
De Gruyter, 2017.

Vorwort (Christian Danz und Werner Schüßler)

・Between two Worlds -- Paul Tillich im Exil (Christian Danz / Werner Schüßler)
  Einleitung

・Paul Tillich im Exil (Friedlich Wilhelm Graf)

l .Exilanten-Netzwerke
・Kulturelle Netzwerke des deutschsprachigen Exils in den USA (Primus-Heinz Kucher)

・Interpretations of History Out of Revolution and Exile. (Christian Roy)
  The Correspondence Between Eugen Rosenstock-Huessy and Paul Tillich

・Frankfurter Streitkultur im Exil (Christian Danz)
  Horkheimer, Adorno und Tillich über Anthropologie

ll. Council for a Democratic Germany
・Kairos und 'Dritte Kraft' (Claus-Dieter Krohn)
  Paul Tillichs Dislurs- und Kampfgemeinschaft mit Adolf Löwe für eine freie und gerechte Gesellschaft

・"Die Nicht-Unterscheidung von Theorie und Praxis" (Alf Christophersen)
  Paul Tillich, Emil Ludwig und der Council for a Democratic Germany

・Für Deutschland, nicht gegen Deutschland -- Paul Tillichs Sicht auf Ursachen und Funktionsweise der NS-Diktatur (Winfrid Halder)
  Eine Analyse seiner Radioanspruchen für die 'Voice of America' (1942-1944) im Vergleich mit Thomas Manns Dadiosnspruchen für die BBC (1940-1945)

lll. Paul Tillich und die amerikanische Theologie
・Tillich's American Theology on the Boundary between Native and Alien Land (Mary An Stenger)

・Tillich and American Theology (Frederick J. Parrella)

lV. Tillichs Frühe Vorlesungen im Exil
・Tillichs New Yoker Vorlesungszyklus ,Advanced Problems in Systematic Theology ' (1936-1938)
(Erdmann Sturm)

・'The doctrine of man as the present approach to theology' (Martin Fritz)
  Tillichs Anthropologie im Ünergang von Deutschland in die USA

・Tillichs 'existentialistic turn' (Werner Schüßler)
  Seine Wende von der Transzendentalphilosophie zur Existenzphilosophie un der Zeit des Übergangs von Deutschland in die USA

V. Theologie im Exil
・Das Exil in der 'Systematischen Theologie' Paul Tillichs (Notger Slenczka)

・Religion im Exil (Wilhelm Gräb)

・Die Tillichrezeption im deutschsprachigen Raum von 1933-1965 (Georg Neugebauer)
  Ein exemplarischer Überblick

Autorenverzeichnis
Personenregister
Sachregister

 第一部から第三部までの議論は、その研究テーマの設定はこれまでも行われてきたものであり、内容はある程度想像可能なものです。それに対して、今後ティリッヒの思想研究で追求されることになるのは、第四部と第五部での問題であり、京都大学の演習で注目しているのは、まさにこの部分です。
プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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