「キリスト新聞」から

 KiriShin(The Kirisuto Shimbun, キリスト新聞、第3478、June. 21. 2018) が届きました。6月も下旬となり、蒸し暑い日が続きます。3日前の地震では、わたくしの研究室(8階)もかなり揺れましたが、幸い、書籍などの物が少々倒れた程度でした。キリスト教学の関係者も無事の安否確認ができました。しかし、エレベーターの復旧が20日の朝になったため、19日は、1階から8階まで、4回往復することになり、その点がもっとも大変でした。20日からは、通常通りに戻りました。

1.第1面:「「史上初」の米朝首脳会談」「キリスト教界 期待した結果は?」
 「WCCトヴェイト総幹事 〝重要な第一歩〟」

2.「各国・各教派の反応 評価は二分?」「「平和と和解のために祈り続ける責務」」
 (第2面)

 この件について、キリスト教メディアならではの切り口はどうなるだろうか。少なくとも、こうした世界情勢に対して思考停止に陥りがちな日本のマスコミは、事態の展開について行けない感じである。自分で考え自分で分析する訓練はどうなっているのだろうか。

3.「News/Topics」[ニュース/トピックス]
・「故・井上洋治神父と文学を学ぶ会 「謎を深めることの大切さ」」
・「キリスト教文学会が全国大会 四国で「巡礼」テーマに」
・「葬儀社「ワイフワーク社」 「終活STYLE」創刊 各地でセミナーも」
・「日本国際飢餓対策機構が募集 「ファシリテータートレーニング」
・「キリスト教学校教育同盟 新理事長に西原廉太氏」
・・・

4.第4面~第5面
「宗教リテラシー向上委員会」:「多民族国家で巻き起こる「カリー旋風」」 
  波勢邦生(「キリスト新聞」関西分室 研究員)

「縦断列島 書店員日記」:「ひろ~い北海道の書店として」 
  亀岡徹 北海道キリスト教書店

「聖書翻訳の最前線」
 「悪しき者・正しき者/逆らう者・従う者」(詩編7.10)、「薄荷・茴香/ミント・ディル・クミン」(マタイ23.23)。新共同訳と聖書協会共同訳(翻訳中)との比較、新しい訳に反省した聖書学の成果。

「CinemaReview [映画評]」:『ザ・ブッグハウス』(監督:想田和弘)
  「《観察映画》における瞑想性」(藤本徹)

5.第6面
「伝道宣隊 キョウカイジャー+αアルファ」
 「グルテンフリーの聖餐式」 キョウカイイエロー

6.第7面
・「Information/インフォメーション」

・ライトノベル新人賞受賞作「17歳の牧師だけで 何か質問ある?」作:高山井作
 2章 牧師ってのは、僕、死、らしいよ。[6]

7.第8面
「ハンガーゼロ 私から始める、世界が変わる なぜ飢餓になるのか3」
 「気候と天候」

・「BookReview/書評」

・「TV/Radio」[テレビ/ラジオ]
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『学術の動向』から

『学術の動向──科学と社会をつなぐ』 2018.6(日本学術会議)が届きました。
 11月に「古典精神と未来社会」分科会における「閑谷フォーラム」が企画されていることは、すでに述べましたが、実は、11月は、それ以外に2件の講演や発題が入ってしまい、大変な状況になりつつあります。一つは、同じ日本学術会議関係で、もう一つは京都哲学会で、いろいろな点を考えて、引き受けました。11月は、確かに忙しくなります。

 今回は、通常通り、二つの最初の特集は、かなり多くの方が論考を執筆しています。

【特集】 フューチャー・デザイン
 「フューチャー・デザイン」という言葉は、最近耳にすることがありますが、今回の特集は、それが何をめざしているのかを示すことが目的のようです。もちろん、デザインされるフューチャーとはなにかなど、哲学的な議論のテーマにもなりそうですが。

・「矢巾町におけるフューチャーデザイン」 (吉岡律司)
・「参加型フューチャー・デザイン討議実践に見る「仮想将来世代」の役割」 (原圭史郎)
・「仮想将来世代との対話で現在世代の選考は変わるのか?」 (齊藤誠)
・「未来人を呼び寄せる討議デザイン」 (西村直子・井上信宏・武者忠彦)
・「倫理と実験から長期の財政問題に迫る──フューチャー・デザインのもうひとつの展開」 (廣光俊昭)
・「フューチャー・デザインについての三つの課題」 (小林慶一郞)
・「世代間均衡問題の解決に高齢層が果たす役割」 (齋藤美松・亀田達也)
・「社会教育プログラムおよび意思決定プログラムとしてのフューチャー・デザイン」 (太田和彦)
・「将来世代を「包摂」する社会を創るフューチャー・デザイン」 (上須道徳)
・「国に地方の財政に関するフューチャー・デザイン」 (新居理有・中川善典)
・「フューチャー・デザインに基づくリスクコミュニケーション」 (倉敷哲生)
・「フューチャー・デザインを活用した住民全体のまちづくり手法の検討」 (武田裕之・杉野弘明)
・「政治制度のフューチャー・デザイン」 (肥野洋一)
・「『一行』で短期利益最大化行動を修正する──インドの社会的責任会計「革命」」 (鈴木智英)
・「イノベーションとフューチャー・デザイン」 (青木玲子)
・「新国富指標と政策決定」 (松永千晶・馬奈木俊介)
・「ニューロ・フューチャー・デザインの展望」 (青木隆太)

 「仮想世代」「未来人」。これは世代間倫理の議論にも関わるのか。あるいは先物取引とか・・・

 もう一つの特集は、以下の通り。
 こちらはかなり堅実です(印象は)。

【特集】地方創生時代の介護系大学のチャレンジ──介護学の変革

・「地域包括ケアシステム構築への高知県立大学の取り組み──地域医療介護総合確保基金事業を活用して」 (森下安子)
・「助産師卒後教育と宮城の助産師出向事業の体制づくり」 (佐藤喜根子)
・「看護とモノづくり──大分県立看護科学大学における三学連携推進の取り組み」 (村嶋幸代)
・「看護師と医療保険者の役割機能拡大による新たな慢性疾患ケア提供モデルの構築」 (森山美知子)
・「まとめ──地元の持続可能性を高める看護学」 (吉沢豊予子・綿貫成明)

■学協会の今──社会と向き合う3
・「社会と向き合う公益社団法人日本心理学会」
 (横田正夫)

『福音と世界』より(7月号後半)

 昨日の『福音と世界』 2018.7の前半紹介に続いて、本日は後半です。

 後半は、次の二つの連載の紹介ですが、まず、わたくしの連載からはじめます。

 わたくしの連載 「現代神学の冒険──新しい海図を求めて」 は、前回は、「科学技術の神学」系における「生命」をめぐる科学技術とそれに関わるキリスト教思想・神学の動向、具体的には、遺伝子工学を扱いました。今回は「生命」をめぐる第三番目の話題として環境──タイトルは「生命の神学3──環境倫理と動物倫理」──を取り上げます。生命倫理に対する環境倫理という言い方も可能ですが、同じ「生命」を論じながら、両者の発想はかなり異なります。ただし、環境神学というテーマについては、本連載でこれまでに取り上げてきたものであり(基本的な議論は終わっているとも言えます)、当然、同じことを繰り返すわけには行きません。今回は、動物倫理という観点から議論を行うという方針がとられました。議論はやや展開不足です(連載のどの回も基本的にそんな感じですが、今回は特にそうです)。
 見出し語は次の通り。
 ・環境の神学の基本原理とその意義
 ・動物倫理あるいは動物神学
 ・動物から環境へ

締めくくりは、いつものように、次の連載。

・内田樹 「レヴィナスの時間論」:「『時間と他者』を読む40」
議論は前回を受けて始まります。ハイデガーとの対論(相違)が今回も鍵になりますが、今回はそれにフッサール(「他我」説)が加わります。

ハイデガーの「共同存在」「共存在」の議論に対して。
「「共に」という手がかりを待たない関係、光に媒介されることのない関係、他者の他者性を毀損することのない関係、それが他なるものとの関係のほんとうのかたちなのだ。それは主体と死の関係と同じものだ。死は把持不能である。」
「死の本質は、主体がそれを引き受けることも先取りすることもできないということのうちに、永遠の切迫としてのみ経験されるという事実のうちに存する。」

 ここまでは、これまでの議論の範囲・延長。

「ここで私たちはレヴィナスの他者論・時間論のまったく新しい局面に足を踏み入れることになる。」
「光の中でものを見るという主体と対象の関係にレヴィナスが対置したのは、「エロス的関係」である。」
「主体とエロスの関係」
「エロス的関係の他にもう一つ、他なるものとの関係を記述するときの基盤を提供してくれるもの」「未来との関係」

「死とエロスと未来。それらはすべて主体によっては把持不能なもの」
「絶対的に他者的なものであるにもかかわらず、私たちはまさに日々、この一瞬一瞬も、それらの「他なるもの」の切迫の下に生きている。」
「最も身近なものが最も疎遠である。最も顕わなものが最も秘匿されている。最も日常的なものが最も言葉にし難い。」
「思考の「指紋」のようなもの」

 以上で、「出来事と他なるもの」と題された節は終わり。次の節は、「他なるものと他者」。

『福音と世界』より(7月号前半)

『福音と世界』 2018. 7(新教出版社)が届きました。
  わたくしの現在の連載執筆状況ですが、前回が、内容を決めるのにかなり迷ったのに対して、今回は内容的には書きたいことが決まっているため、現時点で、仕上げの段階にあります。今日明日中に、原稿を送ることが可能と考えています。こうした段階において、届いたばかりの号を紹介するのは、やや気が楽です。通常は、このタイミングで、わたくしの連載の次月号の原稿はほぼ完成しているのですが、今回は、やや作業が遅れており、まだ数日の時間が必要です。あとひと頑張りです(もちろん本日は、講義が1コマ、演習が2コマありますが)。

 今回7月号の特集テーマは「クィア神学とは何か」ですが、これまでも、クイア神学をめぐっては、関連の論考が本誌に掲載されてきました(執筆者も重なっています)。その記憶がある方は、今回の特集をイメージするは難しくないでしょう。しかし、キリスト教思想に関心があっても、クィア神学については初耳に近い方も少なくないかもしれません。いずれにせよ、これからのキリスト教思想の動向を考える上で、いくつかの立場をわけることになる、いわば争点となるテーマと言えるでしょう。その意味では、クイア神学の試みをどう評するにせよ、念頭において置くべき問題です。

 収録された論考は以下の通り。

・「「クィア」な知の営み──周縁から規範を徹底的に問い直す」 (佐々木裕子)
・「クィア神学の定義をめぐる諸問題」 (朝香知己)
・「「イエスのクィア」から「クィアなイエス」へ──クィア理論を用いた聖書解釈の新たな地平」 (小林昭博)
・「教会をめぐるクィアな可能性──〈怒り〉の回復とその共同性に向けて」 (堀江友里)
・「これからの「せい」の話をしよう──生なる、性なる、省なるかな」 (川江友二)

 今回は、連載の前に、次の報告記事が入っています。
・「現代に生きる主の弟子のあり方を問う──WCCアルーシャ世界宣教伝道会議報告」 (村瀬義史)

 続いて連載。
・ブレイディみかこ:「地のいと低きところにホサナ7」
 「福祉と施し、そしてルースの受難」
 
 緊縮財政という状況がまず福祉の縮小につながっていること。もし、ここに悪があるならば、これは人災的な悪であり、カントならば、優先順位の転倒を呼ぶだろう。何を削るのか、どう分け合うのか、そんな議論なしに、削りやすいから、自分に関係がないと思うから(さしあたりは)、削るというのは、考えることを放棄した人間の態度である。施しが福祉になったのは驚くべき進歩のはずであるが、人間はさほどシンホもしていないということかもしれない。

・「福音の地下水脈」第9回 IKAZUGOKE(前編) 「男にモテたいならギャルだろ」「悪いものに憧れてた」

・森宣雄「野に咲く民衆の神学──別所梅之助を読む」
 第四回「儒教・うるおい・神の裁き」

 今回の別所梅之助の文章、「会衆席にすわり藤樹を思う」「オリーブの接ぎ木と神の選民と」。前者は、タイトルのように、「中江藤樹」(あるいは儒教)と「キリスト教」との結びつきをイメージするものであり、現代神学的には、中国思想・宗教とキリスト教との対話と行ったテーマに関連付けられるかもしれない。そして、後者の文章は、オリーブと接ぎ木という農業的なイメージが聖書に関係づけられて展開されており、宗教間の関連付けが「接ぎ木」とイメージされる点で、前者の文章とも関わっている。

 次の文章は印象的。「こうして新旧ともに、パウロのいう神の秘められた計画に従ってかつどうするんです。」「しかし、またも外科的手術を要する時となりました。・・・うるおいなく実を結ばす、信仰や徳がなくなれば容赦なく切りとられ火に投げ入れられます。」

 解説では、別所の「接ぎ木」論のラディカリズムを、内村鑑三のそれとの違いから説明しようと試みています。議論は、接ぎ木から、土着化、そして民衆キリスト教へと進みます。

「キリスト新聞」から

 KiriShin(The Kirisuto Shimbun, キリスト新聞、第3477、June. 11. 2018) が届きました。梅雨の季節を迎えました。今日の天候は、京都では一日曇りで、雨も降る恐れがあり、蒸し暑いとのことです。現在、進行中の仕事は(授業関係以外)、後10日ほどで一段落ですが、それが終わると、次の仕事に取りかかることになり、一口言えば、多忙状態です。仕事は減らす方針なのですが、なかなかそうも行きません。

1.第1面:「Web新時代の到来?」「日本聖書協会「クリスチャンプレス」」「いのちのことば社「ワードオグライフ」」
 「問われるキリスト教メディア」

2.「業界全体の発信力は向上するか?」「「中立性」「収益性」への疑問拭えず」(第2面)

 「問われるキリスト教メディア」はその通りだが、既存のリソースとシステムを保持しつつ、新しい事業に軸足を移し、転換を図るというになる。確かに、「収益性」は気になる論点である。しかし、発想の転換が十分なのか、Webで情報を集め利用する側から見て、どんな形が求められているのか。ともかくも、キリスト教メディアという「業界全体」が問われており、それは存立に関わる事態になることは想像の範囲である。

3.「News/Topics」[ニュース/トピックス]
・「「沖縄ペンテコステ大会」14年ぶりに開催で合同礼拝も」
・「「憲法9条にラブソングを!」シスターらが新宿で署名行動」
・「「難民は私たちと同じ人」若者向けにシンポジウム」
・「ICUと上智大学 包括協定を締結」
・「台湾司教団がバチカン訪問 10年ぶりの「アドリミナ」」
・・・

4.第4面~第5面
・「宗教リテラシー向上委員会」:「イスラム報道の不都合な真実」 ナセル永野 (日本人ムスリム)

・「縦断列島 書店員日記」:「梅雨なのに、雨が降らない沖縄より」 大長幸一郎 沖縄キリスト教書店

・「聖書翻訳の最前線」
 「霊が妬みに燃える」(ヤコブ4・5~6)、「「~の間」」(黙示録5・6)。新共同訳と聖書協会共同訳(翻訳中)との比較、新しい訳に反省した聖書学の成果。

・「東アジアのリアル/East Asian Perspectives」: 「「貞洞」の中のキリスト教」 (李恵源)

5.第6面
・「伝道宣隊 キョウカイジャー+αアルファ」
 「もし異性愛者差別の世界だったら」 キョウカイグリーン

6.第7面
・「Information/インフォメーション」

・ライトノベル新人賞受賞作「17歳の牧師だけで 何か質問ある?」作:高山井作
 1章 ますは唐突に、牧師の朝のお仕事内容から。[4]

7.第8面
・「ハンガーゼロ 私から始める、世界が変わる なぜ飢餓になるのか2」
 「農業投資の少なさ」

・「BookReview/書評」

・「TV/Radio」[テレビ/ラジオ]
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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