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『学術の動向』から

『学術の動向──科学と社会をつなぐ』 2020. 2 (日本学術会議)が届きました。
 2月の大学院入試は、昨日2次試験まで終了しました。次は、大学入試となりますが、今年は1月から例年になく、ハードなシーズンで、すでにかなり疲れ気味です。今年はずっと暖冬でしたが、大学院入試に合わせるかのように、急に寒くなり、雪になりました。大学院入試の欠席者や別室受験者がかなりいました。どうなっているのかというのが、正直なところです。

 さて、2月の『学術の動向──科学と社会をつなぐ』では、特別企画と特集を中心に校正されています。宗教研究に関連したものではありませんが、興味深い内容です。

【特別企画】「吉野彰博士の2019年ノーベル化学賞受賞」
 生活のあちらこちらでお世話になっているリチウムイオン電池の基盤になった研究に対するノーベル賞。科学技術の分野では研究が大学から企業へと広がっている(あるいは、比重を移しつつある)ことを象徴しているのかもしれません。人文学の分野では、やはり大学でしょうか(しかし、基礎的研究のできる大学は減少しつつあるようにも思われます)。

・「特集の趣旨」(大野英男)
・「リチウムイオン電池誕生前後とその未来像」
 (岡田重人)
・「リチウムイオン電池の開発と社会変革」
 (津端敏男・松岡直樹)
・「吉野彰博士のノーベル化学賞受賞受賞に寄せて──吉野彰名誉会員と日本化学学会」
 (川合眞紀)
・「次世代電池:ノーベル賞受賞液系リチウムイオン電池の将来へ繋ぐ全固体電池開発」
 (石黒恭生)

【特集】「日本旧石器人研究の発展:沖縄の現場から」
 旧石器時代、さまざまに想像を刺激する時空。現在の日本に重なる地域はどうなっていたのか、興味津々です。そして、沖縄。

・「特集の趣旨」(山極壽一)
・「幻の明石原人から実在の港川人まで」
 (馬場悠男)
・「港川人のミトコンドリアDNA全塩基配列からわかること」
 (水野文月・五條堀淳)
・「沖縄本島サキタリ洞遺跡の調査」
 (山崎真治)
・「石垣島白保竿根田原洞穴遺跡と南島の崖葬墓文化」
 (片桐千亜紀)
・「白保4号頭骨の分析と復元」
 (河野礼子)
・「アジア人類史の舞台として沖縄に注目すべき五つの理由」
 (海部陽介)

続いて、次の「特別企画」。
【特別企画】「AIを活用した政策提言」
 福田幸二・馬奈木俊介・岸村顕広・松中学・田中和哉

 日本学術会議の第179回総会(2019年10月16日~18日)において、「AIを活用した政策提言」という題でなされた若手研究者の講演の載録。
 講演内容と質疑がかなり詳しく取り上げられています。

 そのほかに、次の記事。

「学協会の今──社会と向き合う 16」
・「日本国際政治学会の活動」
 (佐々木卓也)
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寄贈書紹介1

 先日、次の書籍をご寄贈いただきましたので、簡単に紹介します。

レザー・アスラン(白須英子訳)
『人類はなぜ〈神〉を生み出したのか?』
文藝春秋、2020年2月。

 帯によれば、「認知科学、考古学、歴史学の最新知見を総動員」、「カリスマ宗教学者がひもとく〈神〉をめぐるサイエンス史」とあります。池上彰による解説「神が人間を創造したか、人間が神を創造したか」が付されています。
 取り上げられ方が、すごい感じですが、詳細な参考文献表と註(原注)が付されており、学術書としての形は整っています。宗教学の知見を、一般の読者へ伝えるという意図・意欲を感じさせられます。

 本日は、京都大学大学院文学研究科では、大学院入試の一次試験の日で、ちょうど、共通の外国語の試験が開始されたところです。コロナウィルスやインフルエンザなど心配事もありますが、受験生のみなさんが実力を発揮されることを期待しています。

近況報告など

 本ブログでは、さまざまな文章を書く中で、随時、わたくしの近況も織り交ぜているので、改めて、近況報告も必要ないとも思われるが、今回は、いろいろな問題を整理するためにも、近況報告を記してみたい。

 現在、テスト・レポートの採点、成績決定から、卒論・修論の試問、大学院入試試験というプロセスが進行中であることは(その先には大学入試・・・)、ご存じと思われるが(何度も、本ブログで書いたことなので)、採点・成績決定はかなり進んでおり、一部を除いて、近日中に完了し、次の課題に進む予定である。順調に進行中といった感じである。

 わたくし自身の近況としては、先日の教授会で、次年度からの教育研究評議員に選出され、全学の評議員会に出席するほかに、文学研究科内での仕事がかなり増える見込みになった。困ったことになったとは思うが、4月からは研究も教育についてもさまざまな調節が必要になるだろう。授業面では、学生のみなさんに影響が出ないようにしたいとは考えている。(この件とは別に、この件と前後して、大きな変化が起こりつつある。評議員よりも、こちらの方が重要という感じである。おそらく、4月にかけて、はっきりすることになるとだけ述べておきたい。のんびり定年を待つというわけには行かない状況である。)

 この年度末のわたくしの研究面での仕事としては、二つの論文(「アジア・キリスト教・多元性」研究会のジャーナルとキリスト教学研究室紀要とに投稿予定)を書き上げることが主要なものであり、そのほかに、6月末に締めきりのいくつかの仕事も作業を進めることが必要になる。それから、現在、三校校正に入っている、新教出版社からの著書は、おそらく、今年度中には出版の予定である。

 以前に、本ブログでもお知らせした京都大学の退職を視野に入れた研究室の文献整理作業は、今年度、一定程度進めることができた。すでに書架4つを処分し、できれば、2月中にあと2つを処分する予定である。研究室がかなり広くなった感じであり、この程度の広さがあれば、演習の授業などは研究室でもできなのにと思ったりもするが、今思ってもしかたがないことではある。

 以上が、わたくしの近況であるが、この2月~3月にするべき事などが、整理できたように思われる(仕事はほかにもかなりの量、存在するが)。

『福音と世界』から

『福音と世界』 2020. 2 (新教出版社)が届きました。
 2020年も1ヶ月近くが経過し、後期授業の終了から、論文試問(卒論と修論)へとカレンダーは着実に進みつつあります。採点と成績決定も重要な仕事ですが、2月になると大学院入試と大学入試と本格的に忙しく大学にとって大切な時期を迎えます。すでにその準備は本格的に始まっており、実質的には1月下旬から2月は一気に進む感じです。
 新年になってこの間、さまざまなことがありました(ワークショップは無事に終わりました)。特に、個人的に重大なことは、先の文学研究科の選挙で、評議員に選出されたことです。4月から、文学研究科における責任が増すともに、とこかくも忙しくなりそうです。研究と教育に影響が出ないとよいのですが、そうも言っていられないようにも思います。どうなることでしょうか。

 2月号の特集テーマは「障害に根ざす」です。障害をめぐる問題は、現代世界の諸問題が集約的に凝縮されており、キリスト教思想での取り組みは過去にいくつかの試みがなされたものの、いまだその基本も全体像も定かではありません。この特集が突破口になればと思います。身近な大切な人々、これまで関わり合った人々が思い起こされます。「障害」という表現については、編集後記を参照。

 収録された論考は以下の通り。

・「障害に〝根ざして〟考える?──当事者として/としての〈親〉」
 (岡部耕典)
・「弱いのに、弱いからこそ、顔を上げる」
 (三井さよ)
・「戦争/バイオポリティクス/障害」
 (美馬達哉)
・「相模原事件と死刑制度」
 (市野川容康)
・「すれ違う、こすれ合う。かけがえのなさと切なさ──『分解者たち──見沼田んぼのほとりを生きる』を書いた先に」
 (猪瀬浩平)
・<インタビュー>
「フラットに生きる──「できる」でも「できない」でもなく」

 特集のあと、次の連載。
・好井裕明「くまのシネマめぐり」2:「差別主義の醜さと不快を考える」
 『私はあなたのニグロではない』『デトロイト』
 
・土井健司「教父学入門」6:「『ヘルマスの牧者』──使徒教父(5)」
「「ヘルマス」は使徒教父ではなく、いや、むしろ信徒である。」「信徒目線の、信徒の日常の信心を深め、そのイマジネーションを刺激する宗教文学」、「人びとに大人気の書で、よく読まれた」
「信徒教父文書の中で群を抜いて長大」
「この他愛もない話から本書ははじまり、読者は、こうして物語に引き込まれていく」。
「ヘルマスはむしろ落胆し守れないと泣き言をいう。」
「ヘルマスは誰もが共感できるヘナチョコ信徒である。」「ヘルマスは自信をなくしてへこたれる。そこで天使は叱咤激励する。」
「独特な教会論」「ここの登場する石」「豊かなイマジネーションと天使の話に見られる民衆レベルでの宗教心の発現である。」「最初期の信徒のリアル」

 なるほど、『牧者』は興味深い文献である。

「神の酒」:「第11回 原爆を語り継ぐ、父の幻とともに」
 (石井光太)

「バビロンの路上で」11.「インフルエンザからの逃走」
 (マニュエル・ヤン)

 ここに次の報告が挿入。
・藤原佐和子「立ち上がり、目覚めよう──アジア・エキュメニカル女性総会(於 台湾)」

「二〇一九年一一月二二日から二六日」、「アジア・キリスト教協議会(CCA)が六〇年以上に及ぶ歴史上初めて主催した女性総会」
「あなたの召しに応える女性たちの神よ。あなたの約束を信頼し、すべてを献げるサラ、ハンナ、ルツのような女性たち。あなたは真実を生きるため、彼女たちの勇気を私たちにも与えてください。」 

「遺跡が語る聖書の世界」14.列柱付き建造物
 (長谷川修一)

 列柱付き建造は、建築の普遍的なスタイルに属しているのか。
 
最後は、次の連載です。
・内田樹「レヴィナスの時間論──『時間と他者』を読む」58
 今回は、前回の最後にあたりで言及された、ローゼンツヴァイク(「レヴィナスは」「徹底した反ヘーゲル主義的」な「フランツ・ローゼンツヴァイクの『救済の星』の決定的な影響下にあった」)を受けて、「レヴィナスとローゼンツヴァイクについて」語られる。

「同時代にあって、ほとんどこの二人だけが哲学の主流と際立って異なる企てに従事した」
「それは「ユダヤ的実存」という概念を」「ひとつの普遍的なカテゴリーとして提出しようという企てである。」

「レヴィナスはユダヤ人は「世界の中」にあって、「神から一つの命令を受けた」存在者であるという解釈を採用する。それが「ユダヤ的実存」という語のさしあたりの意味である。そして、レヴィナスはその着想をローゼンツヴァイクから受け継いだのである。」
「ユダヤ的実存は」「それ自体が存在の一つの本質的な出来事であり、ユダヤ的実存は存在の一つのカテゴリーなのです。」

『学術の動向』から

『学術の動向──科学と社会をつなぐ』 2020. 1 (日本学術会議)が届きました。
 いよいよ2020年のスタートですが、大学の周辺は、例年通りの1月を迎えました。京都も暖冬で、まだ雪は見ていませんが、そのかわり雨が多い気がします。先日、わたくしが調査委員として加わっている博士論文試問がすべて終了しましたが、これからは、卒論と修論の試問(今年度はキリスト教学専修自体は論文の数はとくに多くはないのですが、他専修の学生の読むべき論文がかなりの数になり大変です)、そして大学院入試、さらに大学入試と続きます。1年で、もっとも忙しい季節が始まります。

 さて、1月の『学術の動向──科学と社会をつなぐ』では、通常通り、二つの特集が収録されいますが、内容的に緊密に結び付いており、現在の日本そして世界が直面する問題がどこにあるかを示しています。

【特集1】「再生可能エネルギー導入の次段階に向けて」
 再生可能エネルギーの普及が求められつつも、なかなか進まない日本。しかし、再生可能エネルギ-であれば、よいというわけではないので、問題は複雑です。風力エネルギーの導入に対する反対運動、太陽光発電の問題の指摘(パネルの寿命とゴミ化)など、考えるべき問題は少なくないはずです。

・「特集の趣旨」
 (大久保泰邦)
・「再生可能エネルギー次段階の導入に向けて、現状と課題」
 (大和田野芳郎)
・「再エネ先駆けの地・福島での地中熱・未利用熱利用の現状と展望」
 (赤井仁志)
・「ゼロエミッション工場の実践事例:コマツの事例」
 (谷川徳彦)
・「再エネ水素の建物・街区での利活用にむけたエネルギーシステム」
 (沼田茂生)
・「再生可能エネルギーの運輸分野への利用拡大」
 (大和田野芳郎)
・「バイオ液体燃料の現状と未来を考える」
 (北川尚美)

【特集2】「エネルギーの将来における原子力の位置づけ」
 再生可能エネルギーの問題と並び、あるいはそれと連関して、問題とされるべきは、「原子力」。当面の近未来の世界的な動きでは、原子力への厳しい状況は変わりがないように思われる。日本だけは別の動きとなっており、世界との間でズレを生じている。この際、じっくり考え直してみてはと思われるが、原子力ムラの姿勢はどうなっているのだろうか。「丁寧に説明すればわかる(わかないのは、自分たちが悪いのではない)」?

・「原子力発電利用に対する不安と安心について」
 (柘植綾夫)
・「原子力利用に対する感性的側面からの社会受容性」
 (大倉典子)
・「わが国のエネルギーの将来像における原子力─対話の必要性」
 (枝廣淳子)
・「第5次エネルギー基本計画と原子力が直面する問題状況」
 (橘川武郎)
・「エネルギー情勢の構造的変化と原子力の役割」
 (小宮山涼一)

 エネルギー問題、原子力問題は、文明の問いである。

 そのほかに、次の記事。

◆「学協会の今──社会と向き合う 15」
・「異分野横断研究を推進する横幹連合」
 (鈴木久敏)
プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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