技術と哲学、スティグレール6

 スティグレールの『技術と時間』シリーズの第三巻目、ここまでは邦訳が存在します。現代思想では、しばしば映画が題材になりますが、今回は現代メディアの問題が映画などから分析されます。ハイパーインダストリアル時代における人間の「生きづらさ」という問題にも関わる議論です。哲学者としては、今回は、フッサールからカントです。

ベルナール・スティグレール
『技術と時間3──映画の時間と〈難─存在〉の問題』
法政大学出版局、2013年。

緒言
序章

第一章 映画の時間
第二章 意識の映画
第三章 〈我〉と〈我々〉──アメリカの取り込みの政治学
第四章 われわれの教育施設の困難
第五章 差異を生み出すこと
第六章 科学技術の複製=再生産

訳者解説

 邦訳の目次では、章の下の区分、つまり節のタイトルも詳しく掲載されていますが、あまりにも、煩雑なため、省略しました。あしからず。
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技術と哲学、スティグレール5

 スティグレールのシリーズ『技術と時間』の第2巻目の紹介です。第1巻目が、ギリシャのエピメテウス神話を素材として、人間存在にとっての技術の意味が論じられたのに対して、第2巻目は、記憶と技術との関わりがテーマとなります。前回がハイデッガーを参照していたのに対して言えば、今回は、フッサールの過去把持が参照・拡張されます。記憶と技術の問題は、現代技術における記憶の産業化の議論、そしてハイパーインダストリアル時代の分析(第3巻目)へと展開する上で、決定的な位置を占めています。

ベルナール・スティグレール
『技術と時間2 方向喪失・ディスオリエンテーション』
法政大学出版局、2010年。


第一章 正書法の時代
第二章 方向喪失の発生
第三章 記憶の産業化
第四章 時間対象と過去把持の有限性

訳者解説

技術と哲学、スティグレール4

これまで、スティグレールについては、何度か紹介してきましたが、今回紹介するのは、全5巻で構想され、すでに3巻目までえ邦訳されている『技術と時間』の第一巻です。おそらく、スティグレールの技術の哲学の主張と言うべきものと思いますが、すでに紹介済みのものと内容的には、かなり重なります。いわば体系化でしょうか。

『技術と時間1 エピメテウスの過失』
法政大学出版局、2009年。

謝辞
著作全体への序論

第Ⅰ部 人間の発明
 序
 第一章 技術進化の諸理論
 第二章 技術論理と人間論理
 第三章 〈誰〉? 〈何〉? 人間の発明

第Ⅱ部 エピメテウスの過失
 序
 第一章 プロメテウスの肝臓
 第二章 既に現に
 第三章 〈何〉の脱離

監修者のことば (石田英敬)
訳者解説 (西兼志)

 「著作全体への序論」からは、スティグレールとハイデッガーの技術論との関わりがよくわかります。

技術の神学に向けて、バーバーの場合

 技術の神学は、現代キリスト教思想の課題の一つであるが、その構築の手がかりは少なくない。イアン・バーバーは「科学と宗教」の関係、とくにその類型論で著名な研究者であったが、「技術の神学」の基礎となる議論を行っている。バーバーが行ったギフォード講義が出版されており、そこに「技術の神学」の可能性を確認できるように思われる。バーバーの体系的に積みあげる思考方法がよくわかる構成である。

Ian G. Barbour
Ethics in an Age of Technology. The Gifford Lectures 1989-1991 Volume 2
HarperSanFrancisco, 1993.

Contents

Acknowledgments
Abbreviations
Preface

PART ONE: CONFLICTING VALUES
1. VIEWS OF TECHNOLOGY
 I. TECHNOLOGY AS LIBERATOR
  1. The Benefits of Technology
  2. Optimistic Views of Technology
  3. A Reply to the Optimists
 II. TECHNOLOGY AS THREAT
  1. The Human Costs of Technology
  2. Recent Critics of Technology
  3. A Reply to the Pessimists
 III. TECHNOLOGY AS INSTRUMENT OF POWER
  1. Technology and Political Power
  2. The Redirection of Technology
  3. The Social Construction of Technology
 IV. CONCLUSIONS

2. HUMAN VALUES
 I. SCIENCE AND HUMAN VALUES
  1. Values Intrinsic to Science
  2. Evolutionary Ethics
  3. The Contribution of Science to Ethics
 II. PHILOSOPHY AND HUMAN VALUES
  1. Utilitarianism and Its Critics
  2. The Concept of Justice
  3. Freedom as Participation
 III. RELIGION AND HUMAN VALUES
  1. Christian Ethics
  2. lndividual Values
  3. Social Values
  4. Human Nature
 IV. CONCLUSIONS

3. ENVIRONMENTAL VALUES
 I. SCIENCE AND ENVIRONMENTAL VALUES
  1. New Views of Nature
  2.Biocentric Ethics
 II. PHILOSOPHY AND ENVIRONMENTAL VALUES
  1. Human Benefits from the Environment
  2. Duties to Future Generations
  3. Respect for All Forms of Life
 III. RELIGION AND ENVIRONMENTAL VALUES
  1. Eastern Religions
  2. Historical Christianity
  3. Contemporary Theology
 IV. CONCLUSIONS

PART TWO: CRITICAL TECHNOLOGIES
4. AGRICULTURE

 I. FOOD AND HUNGER
  l. Causes of Hunger
  2. Environmental Constraints
 II. WESTERN AGRICULTURE
  1.Family Farms and Rural Life
  2. Agribusiness and Research Priorities
  3. Sustainable Agriculture
 III. AGRICULTURE IN THE THIRD WORLD
  1. The Green Revolution and Malnutrition
  2. Sustainable Development
 IV. FOOD AND GLOBAL JUSTICE
  1. Ethical Principles
  2. National Policies
 V. CONCLUSIONS

5.ENERGY
 I. FOSSIL FUELS
  1. Oil and Global Justice
  2. Coal and the Environment
 II. NUCLEAR POWER
  1. Reactor Safety and Risk Acceptability
  2. Radioactive Wastes and Future Generations
  3. The Future of Nuclear Power
 III. RENEWABLE SOURCES
  1. Solar Energy and Sustainability
  2. Decentralization and Participation
 IV. CONSERVATION
  1.Energy and Economic Development
  2. Life-styles and Personal Fulfillment
  3. Energy in the Third World
 V. CONCLUSIONS

6.COMPUTERS
 I. COMPUTERS AND WORK
  1. Automation and Human Skills
  2. The Electronic Office
  3. Centralization and Decentralization
 II. COMPUTER AND CITIZENS
  1.Access to Information
  2. Computer Programmers and Users
  3. Data Banks and Privacy
 III. COMPUTERS FOR WAR AND PEACE
  1.Military Computers
  2. Computers in the Third World
 IV. ARTIFICIAL INTELLIGENCE
  1. Progress in Artificial Intelligence
  2. Artificial Intelligence and Human Nature
  3. Prospects for the Future
 V. CONCLUSIONS

PART THREE: TECHNOLOGY AND THE FUTURE
7.UNPRECEDENTED POWERS
 I. ENVIRONMENTAL DEGRADATION
  1. Air and Water Pollution
  2. Global Threats: An Endangered Planet
  3. The "Limits to Growth" Debate
 II. GENETIC ENGINEERING
  1.Modifying Microbes, Plants, and Animals
  2. Human Genetic Engineering
  3. The Social Context of Research
 III. NUCLEAR WEAPONS
  1. The Arms Race
  2. Ethical and Theological Issues
  3. Arms Control Treaties
  4. Global Security
 IV. CONCLUSIONS

8. CONTROLLING TECHNOLOGY
 I. GOVERNING TECHNOLOGY
  1. The Diverse Roles of Government
  2. Technical Experts and Policy Decisions
  3.Citizens and Political Participation
 II. ASSESSING TECHNOLOGY
  1. Cost-Benefit Analysis
  2. Risk Assessment
  3. Technology Assessment Methods
 III. REDIRECTlNG TECHNOLOGY
  1. Regulatory Strategies
  2. Justice, Employment, and Environment
  3. The Social Responsibility of Scientists and Engineers
 IV. CONCLUSIONS

9. NEW DIRECTIONS
 I. TECHNOLOGY AND HUMAN VALUES
  1. Policy Priorities
  2. Appropriate Technology
  3. Scale, Efficiency, and Participation
 II. SUSTAINABLE CONSUMPTION
  1. A Conserver Society
  2. Individual Life-styles
 III. CHANGING VALUES
  1.A New Social Paradigm
  2. A Biblical Perspective
  3. Sources of Change

Notes
Index of Names

技術論から文明論へ

 技術の問題を取り上げてきていますが、今回は、20世紀の代表的な技術哲学と言えるジャック・エリュールについての日本における研究書を取り上げます。エリュールの議論は、文明論とも言える射程をもっています。

松谷邦英
『技術社会を〈超えて〉──ジャック・エリュールの社会哲学』
晃洋書房、2010年。

エリュールの主要著作の略号
凡例

第1章 両大戦間期フランスと非順応主義
   1 非順応主義とアナーキズム
   2 『エスプリ』と「ガスコーニュ人格主義」──戦間期のエリュール

第2章 ムーニエの技術論とエリュールの技術社会論
   1 ムーニエの技術論
   2 ムーニエとエリュールの技術論の対比
   3 ムーニエの技術道具説の陥穽

第3章 エリュールの技術社会論
   1 エリュール技術社会論の構造と射程
   2 「技術現象」の三つの諸相──経済技術・組織技術・人間技術
   3 『技術社会』以後の四つの視角
   4 エリュール批判の考察

第4章 エリュールの全体主義論──中間的考察

第5章 エリュールの社会哲学とその倫理的次元
   1 エリュール社会哲学に於ける「個人」──その制約と「自由」
   2 「個」と「自由」の構造

第6章 エリュールの社会哲学における「自由」の根源
   1 「鯨の腹の中のヨナ」──個人の現代的境位
   2 エリュールのヨナ書解釈
   3 「神学的自由」と「異物」の生

終章 〈アナーキスト〉・エリュール

あとがき
人名索引
事項索引

プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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