パネンベルクからクレイトンへ

 20世紀、特に1970年代以降は、自然神学再考の動向が顕著になった時代であり、それは現在から未来への広がりを予感させている(本ブログもこの動向の一端を担っているわけであるが)。その動向の一つの中心を形成しているのが、バルトやブルトマン世代以降のドイツ語圏のプロテスタント神学を牽引した神学者の一人であるパネンベルクである。特に、パネンベルク(Wolfhart Pannenberg)の Wissenschaftstheorie und Theologie (1977)は、1950年代~80年代頃までの学問論・科学論の文脈に神学を一つの学として位置づける試みとして、きわめて重要な位置を占めている(それは、1923年のティリッヒの学の体系論にも匹敵する意義を有している)。このパネンベルクの科学論は、その後のパネンベルク神学の方法論的基盤をなすものであり、その十分な解明なしに(これを本格的に行うには、研究者・解釈者のかなりの力量が求められる)、パネンベルク神学についての分析は表面的なものにとどまらざるを得ない。
 興味深いことに、こうしたパネンベルクの問題意識は、その後、ドイツ語圏というよりも、むしろ英語圏で継承展開されており、日本における研究動向も、パネンベルクの科学論(したがって神学も)はほとんどフォローしていないのが現状である(もちろん、何についても例外はあるが)。

 パンベルクの問題意識を継承し展開した英語圏での動向として注目すべきは、ナンシー・マーフィとフィリップ・クレイトンであろう。以下に挙げる文献は(芦名研究室所蔵)、いずれもきわめて重要である。特に、クレイトンは、マクグラスと共に、英語圏における「宗教と科学」関係論をリードする研究者である。

1.Nancy Murphy,
Theology in the Age of Scientific Reasoning,
Cornell University Press, 1990.

2.Philip Clayton,
Explanation from Physics to Theology. An Essay in Rationality and Religion,Yale University Press,1989.
God and Contemporary Science, Edinburgh University Press, 1997.
・Philip Clayton and Arthur Peacocke (eds.)
In Whom We Live and Move and Have Our Being, Panentheistic Reflections on God's Presence in a Scientific World, Eerdmans, 2004.
Mind & Emergence. From Quantum to Consciousness, Oxford University Press, 2004.
 
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