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政治哲学の新しい動向

 政治哲学は、本ブログのテーマにも密接に関わる分野であり、これまでも、ネグリ、アガンベン、ジジェク、ランシエールなどについて、文献紹介などを行ってきた。こうした動向について、的確かつ明晰な紹介がなされている文献を取り上げた。これは、現在の日本において、こうした新しい政治哲学の動向を紹介し、さらには新たな理論的展開を試みている代表的人物、こうした問題を語らせるにふさわしい論者によるものであり、新書でもあり、関心のある方は、一読をお勧めしたい。

市田良彦
『革命論──マルチチュードの政治哲学序説』
平分社、2012年。

序章 今日的時点──倫理的な政治

第一章 対象としての例外、主体化する例外──アガンベン、アルチュセール、ネグリ

第二章 消え去る政治、まれ(例外な)政治──デリダ派、アルチュセール、バディウ

第三章 マルチチュードの生である政治──スピノザをめぐる抗争

終章 見出された自由──フーコーと(不)可能な革命

あとがき

「問いかけ」としての文献案内

 「道徳と同じ普遍性をもつことは、今日の倫理にとっては、目的であると同時に前提である」、「「住みか」に限定されないという普遍性」(10)

 この、普遍性は近代の啓蒙的理性が追求し近代的学が立つ基盤であるが、政治哲学にとってはそれがアポリアを生みだしてしまう。これが論者の問題である。

 「ホロコーストの生存者が多く住むコミュニティのなかを行進するネオナチと、南部の分離主義者たちのコミュニティのなかを行進するマーチン・ルーサー・キングのそれぞれに、行進を禁止する倫理的根拠はあるのかないのか」(11)、「「無限の正義」の前には、キリスト教原理主義とイスラム原理主義は等価なものに止まり続けるほかない」(12)

しかし、「共同体の内と外でやることが違う政治は、倫理的でも普遍的でもない」(19)

「革命をその例外に忠実に思考しようとした哲学を、復権させねばならない」(21)。これが著者の目指すところである。このブログでも、もう少し詳細を紹介する機会があるかもしれない。
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プロフィール

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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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