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野呂芳男(2)

前回に続き、野呂先生の、比較的晩年の文献を取り上げます。前回紹介の『キリスト教と民衆宗教』(1991年)は、その後、「民衆宗教」をキーワードにして、展開が試みられる。それは、「民衆宗教としてのキリスト教に関する私の思索を書いたシリーズ」として、限定100部で出版された冊子となって現れた。

1.野呂芳男
『キリスト教の本質』
松鶴亭(出版部)、1995年。

一 民衆宗教としてのキリスト教
二 伝承と伝統
三 ヘブライ的なものとギリシア的なもの
四 実存論的神学
五 究極的なものと絶対的なもの

あとがき

 野呂神学のエッセンスといえるテーマがコンパクトに各章で扱われた小論集である。四の「実存論神学」については、いずれ、くわしく検討を行ってみたい。

2.野呂芳男
『キリスト教神学と開けゆく宇宙』
松鶴亭(出版部)、1996年。

一 大宇宙の生命
二 キリスト教史と宇宙論
三 テイヤール・ド・シャルダンの思想
四 開けゆく宇宙とキリスト
五 ナザレのイエス
六 開けゆく宇宙と神

あとがき

 キリスト教と科学というテーマに対する野呂神学からの展開であり、現在多くの議論がなされつつある、エコロジーとキリスト教(エコロジーの神学)との関わりでも、興味深い思索である。なお、この著書の議論は、この前年に熊澤義宣共編で日本基督教団出版局から刊行された『総説 現代神学』の最終論文として収録された「V 開け行く宇宙とキリスト教信仰」(538-552頁)を展開したものである(この論文のあとに収録の「まとめ──将来の神学形成を目指して」も野呂先生の文章であり、「個別化と総合」との関係で特に顕著な「今日の組織神学の傾向の個別化」において、4つの分野に区分けした展望が示されている)。
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プロフィール

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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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