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憲法から震災へ

 憲法学者である水島朝穂さんが、ご自身のHPに掲載の「平和憲法のメッセージ」に書いてきた「直言」を時系列にまとめ、それに「東日本大震災と憲法」についての議論を加えた著書(ブックレット)を刊行された。出版されて少し時間が経過したが、憲法学者が「「東日本大震災と憲法」について、歩きながら考え、書き、論じた記録」(6)として興味深い内容であるので、本ブログで取り上げてみたい。

水島朝穂
『東日本大震災と憲法 この国への直言』
早稲田大学出版部、2012年2月。

序──その日

第I部 現場を行く
 想定外という言葉──東日本大震災から一ヶ月
 災害派遣の本務化へ
 郡山から南相馬へ
 「トモダテ」という作戦
 「避難所」になった女川原発
 石巻と大船渡──被災地における新聞の役割
 南三陸、気仙沼、釜石など──被災地の自衛隊
 陸前高田の人々
 大槌町吉里吉里
  ・大震災と早稲田フィル

第II部 東日本大震災からの復興に向けて──憲法の視点から
1 震災後初の憲法記念日に
2 大震災からの復興と憲法
   「個人の尊重」を基軸にして、権利制限をどう考えるか、地方自治に基づく復興を、
   憲法に緊急権条項を設けるべきか
3 大震災における多様なアクターの活動
   国・地方のすべての機関が動いた、ボランティア「NGOモデル」、
   民間企業──ヤマト運輸の活動例
4 災害と犠牲──補償をどうするか
   最後まで批難を呼びかけ、過去最大の公務災害、「犠牲を厭わない」という思想
5 国会と政府はどうだったか──「政治手動」の結果
6 足尾銅山問題とフクシマ──田中正造の視点
   田中正造ゆかりの地を訪ねて、正造直訴状こ今日的意味、憲法を活かすために
7 新しい連帯の芽生え──ウルリッヒ・ベックの主張から

 大災害へ備えること、大災害後の復興と補償を迅速かつ公正に行うこと、これらは、憲法の問題と深く関わらざるを得ない。既存の政党においては、憲法改正ということで、稚拙な暴論が盛んであるが(「震災便乗型改憲」?)、その前に、現在の「憲法を活かして」、責任を持って取り組むべき課題がいくらでもあるだろう。憲法学者の本格的な問題提起と討論に期待したい。
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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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