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原発と地域の問題

 原発は地域の問題と緊密に結びついている。それは、原発の推進が、地域の雇用・経済効果という観点から行われてきたことに端的に表れている。原発の設置設置が、日本列島のどこにおいてなされてきたかは、まさに長い歴史を有する地域間格差の現実がそこにあること明白であろう。この点をはずしては、脱原発は一過的な運動・表層現象に終わり、いずれもとの既定路線に戻ることにもなるだろう。脱原発は、原発に象徴され凝縮された日本的現実の転換(別の日本の可能性を描くこと)という視点なくしては、最終的には抽象論にとどまるであろう。

 こうした問題意識を深めるために、次の文献を紹介したい。「「脱原発」は、持続可能な地域社会をつくる展望と併せ追求されねばならない」、「ふるさとの再建と日本社会全体の再構築の基本方針を展望したい」(1)。

農文協編
『脱原発の大義 地域破壊の歴史に終止符を』
農文協ブックレット、2012年5月。

まえがき

PART 1 地域を踏み台にした原発国家の形成と破綻
 原発絶対体制の完成と崩壊──いのちと地域を守る価値転換へ(鎌田慧)
 踏み台にされた東北──エネルギー・産業政策の歴史にみる国家と東北(岡田知弘)
 現代の暴力装置=原発と自由貿易に騙されないために──弱者の視点・エントロピー経済学で考える(槌田敦)
 終りの始まりが始まっている──原発による地域破壊の歴史に終止符を(諸富徹)

PART 2 農山漁村の現場から
 耕すことで農は復興への可能性を拓いた──春の苦悩に寄り添って(中島紀一)
 ”陸に上がった漁師”の無念と決意──属地性を否定された沿岸漁業と漁村の再生シナリオを考える(富田宏)
 森林の放射能汚染の現状と今後の課題(金子真司)
 急がれる放射能汚染マップの作成と安全検査の体系化──原子力災害と福島県の現状・課題・展望(小山良太/小松知未)

PART 3 未来へつなぐ
 個人リスクと社会リスクを克服するために──食・農・環境からみる原発と消費者・生産者(古沢広祐)
 有機農業がつくる、ふくしま再生への道(菅野正寿)
 排除から分断に陥らない運動へ──「食の安全」と「生産基盤の維持・再生」の両立をめざして(戎谷徹也)
 これからの産直提携とは──生産者と消費者の連帯をまもるために(加藤好一)
 <仮想授業2012>子どもと話そう原子力発電と原発災害──小学3年家庭科の授業より(名取弘文)
 当事者のことを考えるとはどういうことか──「忘却の構造」の再生産をいかに対象化できるか(開沼博)
 「電力植民地」から「オープンな地域社会産業としてのエネルギー体系」へ──石井彰氏の「再生可能エネルギー限界論」にも触れて(飯田哲也)

山下惣一のニラム・カラム・コラム(山下惣一)
 原子力ムラ、専門家、共同幻想、「むら」の原型、「むら」の範囲、「むら」の知恵、東京に原発を! 真実の真実、貧者の一灯、希望の灯
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プロフィール

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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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