韓国神学の動向(3)

 民衆の神学は、一つの神学思想運動として研究対象として議論されることが少なくない。実際、少なからぬ研究文献もすでに著されている。そして、その中には、民衆の神学の運動の内部からのあるいはそれの共感的な関わりにある立場からの研究も存在しており、次に紹介するものは、その代表的な研究文献と言える。

朴聖焌
『民衆神学の形成と展開──一九七〇年代を中心に』
新教出版社、1997年。

序文(木田献一)

序論 目的と方法
 第一節 本論文の目的
 第二節 本論文の方法

第一部 民衆神学の形成
第一章 前史
 第一節 受難と抵抗の韓国民衆史
 第二節 韓国キリスト教史

第二章 一九七〇年代
 第一節 民衆事件の火山脈──「神の宣教」(1)
 第二節 キリスト者たちの証言──「神の宣教」(2)

第三章 神学者たち
 第一節 徐南同
 第二節 安炳茂
 第三節 神学者たちと民衆神学

第四章 民衆
 第一節 歴史における民衆──韓国史の脈絡から見た民衆
 第二節 現実における民衆──民衆の生活のありよう
 第三節 主題としての民衆──民衆神学の民衆理解

第二部 民衆神学の展開
第五章 「事件」と「合流」の解釈学
 第一節 「事件」(サコン)
 第二節 「合流」
 第三節 「典拠」
 第四節 民衆の言語、民衆神学の言語
 第五節 「啓示の下部構造」──民衆神学における「韓国的」の意味

第六章 聖書と民衆
 第一節 「民衆の目で」
 第二節 聖書の再発見
 第三節 聖書の解放
 第四節 「イエス事件」とその伝承の主体

第七章 八〇年代以降の民衆神学の展開
 第一節 状況の変化
 第二節 運動の神学
 第三節 民衆教会運動
 第四節 民衆神学の自己省察と展望

結論

参考文献
あとがき

 本著作は、朴氏が、立教大学に提出した博士学位論文であり、この著書では、八〇年代以降の状況の変化が述べられているが、実際、韓国の民衆の神学は、現在このさらに大きく進呈しつつある状況の変化において、その方向性を模索しつつあるように思われる。二一世紀の現代において「民衆の神学」はいかなる仕方で存在できるのか、この問いは、韓国の神学のみならず、世界の、そして日本の神学の問いでもあり、現代の東アジアにおける神学の可能性を考える上で、民衆の神学のさらなる動向に注目したい。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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