2012年を振り返って

 2012年も本日を残すばかりとなり、一年を振り返るに相応しい時になりました。
 今年は、大きくは国際的に、またわたくし個人の事柄においても、多くの出来事・変化がありました。国際的という点では、なんと言っても世界規模での政治的経済的な変動が挙げられますし、ごく最近数ヶ月に限っても、アメリカでも、中国でも、韓国でも、そして日本でも政治状況が大きく変わりました(以前への、しかも遙か昔を目指した変化を予感させる国もありますが。端的に退化・後退というべきでしょうか)。今後、10年程度で顕在化するさらに大きな転換の予感にも満ちた一年でした。

 わたくしの勤務する京都大学でも、現在、昨年度開始された事務機構の大規模な再編や10年後の京都大学の教育研究体制の見直し、そして最近マスコミでも話題(?)の国際共闘教育院・問題など、一斉に相互に連動した変動が生じつつあります。大学院重点化や法人化にも匹敵しそれらを上回る変化です。さしあたり、来年度の4月より、変化は目に見えて生じるはずです。もともと人文系の基礎学問としての哲学・思想は、大学制度の中でしばしば軽視され、予算配分も驚くほど貧弱な状況にありましたが(それはたとえば大学院修了・博士取得後の慢性的な就職難となって長年続いてきたものであり、重点化以降さらに深刻になってきた問題です)、この現在進行中の大きな変化がそれに何をもたらすかは注視する必要があると思われます。

 京都大学キリスト教専修では、授業を中心に予定したスケジュールを進めることができ、所属の大学院生なども、自分の設定した目標にしたがって、がんばって研究を進めていただいたものと思います(当然、個人差はありますが)。不満な点もないわけではありませんが、来年度はさまざまに新しい工夫を行い、専修・研究室としてのレベルアップをはかりたいと考えています。ともかくも、研究室の運営にご協力いただき感謝いたします。

 わたくし個人の研究では、本ブログを含め進めてきた科研による研究が最終年を迎え締めくくりに入ったことも重要なポイントの一つですが、そしてこの数年来取り組んできた、波多野精一の宗教哲学三部作を中心とした文庫化(『時と永遠 他八篇』『宗教哲学序論・宗教哲学』岩波文庫)が夏から秋にかけて完了したことが最大の成果・ニュースと言えるでしょう(この文庫化の作業は、波多野の思想体系に取り組むことによって、これまでわたくし自身が取り組んできた諸テーマの相互の体系的な連関を明確化することが可能になりました。この成果はいずれ、講義や論文において形になるものと思います)。これが完了したことによって、次の研究に進むことが可能になりましたが、それは、すでにはじまっているものの、本格的には来年度以降の課題です。そのほかに、学会のシンポジウム(日本近代仏教史研究会。これまでに関わりのなかった分野における研究領域の専門家との議論は楽しい経験です)での発表やさまざまな研究会での発表、論文執筆、書評執筆など、これから公刊されるものも含め、それなりに忙しく研究を進めました。授業もまだ1月と成績作業を残しつつも、ほぼ無事完了と言えるでしょうか。講義としては、7月25日にNARASIA未来塾(奈良県主催、奈良県立大学を会場に、3週間にわたり行われた、第2回東アジア・サマースクール)での中国・韓国・ベトナム・日本の学生対象に行った講義もよい経験でした。

 振り返れば、さまざまなことのあった2012年でしたが、すべてがよかったとは言えないにしても、次に繋がる一年ではあったと思います。
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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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