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戦争の記憶

 8月に入り、今週の京都は暑さのピーク・猛暑との予報が出ている。
 暑中お見舞い申し上げます。

 小学校から高等学校まではとっくに夏休みですが、大学は、今週いっぱいは、まだまだ会議など、オープンキャンパスやガイダンスなど、仕事が詰まっています。最終週からは集中講義や学生の予行などが始まりますので、実質の夏休みは2週間程度でしょうか(9月からは学会シーズンと、論文などの締めきり期に入ります)。

 こうした一方で、8月になると、戦争に関わるさまざまな記憶が辿られることになり、改めて戦争と平和について考えさせられる季節でもあります。今年度は、授業の関係で従軍慰安婦問題に関わったこともあり、8月にかぎらず、戦争に関しては、本ブログでも、何度も取り上げました。特に、問題なのは、記憶の改変・喪失が、組織的に、しかも暗黙の内に進行しつつあることです。明確な圧力がかかる前に、それを先取りするかのように、改変が行われている、これが、日本の現実のようです。記憶をどう継承するのかは、大きな課題であり、たとえば、日本のキリスト教界も先の大戦に至る過程の記憶が喪失しかけている中で、それをどのように保持するのかが問われているように思います。

 記憶の改変を批判的に取り上げた実例として、次の文献を紹介します。

メディアの危機を訴える市民ネットワーク(メキキネット)編
『番組はなぜ改変されたか──「NHK・ETV事件」の深層』
一葉社、2006年。

はじめに──メディアの危機を訴える市民ネットワーク事務局からの提起(中野敏男)

事件の経緯(板垣竜太)

I 改ざんの事実──そのとき何が起こったのか
 製作現場で見たNHK番組改編の現実(坂上香)
 何が直前に消されたか──NHK「問われる戦時性暴力」改変を考える(高橋哲哉)
 メディアの公共性と表象の暴力──NHK「問われる戦時性暴力」改変をめぐって(米山リサ)
 沈黙を強いられたのは誰か──NHK番組改編問題・テレビ映像における捏造(北原恵)
 私たちはなぜ、裁判を闘うのか──NHK番組への政治介入をめぐって(西野瑠美子)
 政治介入と番組改編<付・変更点一覧>(板垣竜太)
 「通常」のなし崩し、すなわちファシズム(板垣竜太)
 「政治介入」の決定的証拠──中川昭一、安倍晋三、松尾武元放送総局長はこれでもシラを切るのか(魚住昭)

II 改ざんの構造──問われる歴史と公共性
 日本社会の反動化とNHK・ETV番組改竄問題──否認され続ける「慰安婦」の訴え(李考徳)
 番組改ざんを促した力──跳梁するプチ・ファシストたち(駒込武)
 象徴天皇制と構造的な暴力──富山県立近代美術館作品処分とNHK番組改竄に通底すること(小倉利丸)
 言論の自由・沈黙させられた声──日本のメディアとNHK問題(テッサ・モーリス・スズキ)
 共感と恥辱(酒井直樹)
 誰の、何のための公共メディアか──重層的な従属構造の歴史的形成(吉見俊哉)
 市民拒否の論理としての「編集部」(野原仁)
 「コーセーチューリツ」と「フヘンフトー」(森達也)
 再び〝帝国〟を志向する社会と政治権力者へのマスメディアの屈従──二十一世紀の「白虹事件」ではないか(斎藤貴男)

III 改ざんの廃墟から──状況に抗して
 遅れてくるもののために──長井プロデューサーの涙とNHK番組改変問題のサブオルターン(米山リサ)
 「改ざん」のコンテクストを想起する(鵜飼哲)
 三分間の裂け目──葬られたもうひとつの声をめぐって(吉見俊美)
 改ざんに抗して──沈黙する多数者へ(野中章弘)
 米山リサさんによるRRCへの申立てと委員会決定の意義について(山下幸夫)
 「私」に何ができるのか──「良心的業務拒否」の可能性(坂上香)

●メキキ・エッセイ
 「低い声」を聞け(河かおる)
 NHKが「女性国際戦犯法廷」を歴史に刻んだ夜(鈴木香織)
 [原文取り狂文]局の報道(抄録)(村上徹郎)

あとがき(岩崎稔)

[資料編]……解説/板垣良太・駒込武・河野真太郎
[事件年表]……作成/河かおる

 かなり大部の文献なので、まず概要を知るには、「はじめに」から読まれると良いかもしれない。 
 
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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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