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社会脳研究の挑戦

 本ブログでは、脳科学と宗教という問題を継続的に扱ってきたが、最近の研究動向として、特に社会脳についての議論に注目してきた。今回も、その関連の文献を紹介します。

 現在、新曜社から、社会脳シリーズが刊行されつつありますが、シリーズの編者によれば、「この「社会脳シリーズ」がまざすのは、脳の中に表現された社会の姿をあらためて人文社会学の俎上にのせて、これを広く「社会脳」の立場から再検討し、その近未来の新領域で新たな学術ルネサンスが開花する様子をスケッチすることである」(v)。脳科学から人文社会学へという学問領域の結節点の一つに社会脳を位置づける試みといる。
 なお、この編者とは、京都大学大学院文学研究科で長年心理学を担当し、ワーキングメモリ研究などの研究で著名な苧坂直行先生である。わたくしは教授に就任した際に、文学研究科長をされていた。

苧坂直行編
『社会脳科学の展望──脳から社会を見る』
新曜社、2012年。

「社会脳シリーズ」刊行にあたって
社会脳シリーズI「社会脳科学の展望」への序

1 展望する脳(奥野次郎・藤井俊勝)
2 嘘をつく脳(奥野次郎・藤井俊勝)
3 顔認知の発達と情動・社会性(飯高哲也)
4 認知の文化差を映し出す脳の活動(原田宗子)
5 社会脳と精神疾患──脳画像研究から見た統合失調症(村井俊哉)
6 他人の不幸は蜜の味──ねたみと他人の不幸を喜ぶ気持ちの脳内メカニズム(高橋英彦)
7 サルに内的思考過程は存在するか?──サルにおけるデフォルト脳活動(渡邊正孝)
 [コラム]デフォルトモード・ネットワークとは(福山秀直)
8 デフォルトモード・ネットワークから見たワーキングメモリ(越野英哉)

文献
事項索引
人名索引

 現時点の脳科学、そして社会脳科学の研究は、「本書を一読いただければ、脳と心のかかわりを読み解くには、その道のりがまだまだ長いことが分かっていただけると考えている」ということであるが、「「社会脳」という新たな学術分野に芽生えてきた研究の息吹」(vii)は、宗教研究にとっても、注目すべき貴重な動向である。
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プロフィール

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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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