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アジアという視点(1)

 日本の政治や経済の領域で、アジアの重要性(アジア重視)が意識され、また実際にそのような仕方で活動が行われるようになって、すでにかなりの時間が経過した。この間、大学(京都大学全体で、そして文学研究科でも)や学会などの研究や教育の分野でも、同様の動きが顕著になってきている。これは、ここの20年くらいの間の動きであろうか(それは中国の台頭とどのように関わっているか?)。それは、グローバル化や国際化(これらは、最近の英語教育の強調からもわかるように、アジア重視とは別のベクトルを含んでいる。場合によっては、明治以来の欧米重視という動向とも読める)といった動きと微妙な関係をもちつつも、しかし、着実に進展しつつある。

 本年、西南学院大学で開催された、日本基督教学会の学術大会で、「東アジア世界を生きるキリスト教―東アジア共同体の形成を目指して―」という主題が掲げられたことは(この学術大会については、本ブログでも以前に取り上げた)、その動きの一端である。アジア、これはいまや学術分野でのキーワードとなっている。

 以前に本ブログでも「キリスト新聞」の記事として、立教大学における国際シンポジウム(2013年3月9日、立教大学池袋キャンパス)を紹介したが、先日、このシンポジウムを含む、研究プロジェクト全体の報告書が、届いた。(関心のある方は、キリスト教学研究室の机の上にしばらく置いておくので、ご覧いただきたい。)

 報告書表題:
立教大学平和研究 報告書「宗教間・文化間『対話』を通したアジアの共存と平和~国連プロジェクト『文明の同盟』のアジアにおける実践と今後~」2011年4月~2013年8月。

目次は次のようになっている。

I.研究概要
II.四カ国における実践事例
 A.フィりピン:ミンダナオ・ムスリム自治区バシラン州での平和づくり
 B.カンボジア:シェリアップ州北部での村づくり、健康づくり
 C.スリランカ:非暴力による民族紛争解決へ向けた取り組み
 D.イラク:キルクーク市ラパリーン地区での草の根からの平和づくり

III.国際シンポジウム
 A.国際シンポジウム概要
 B.パネル・ディスカッション

IV.まとめ:研究成果(教訓・学び)
V.おわりに


 こうした多くの研究プロジェクトが、キリスト教研究にどのような進展を生み出すことになるか、自分の研究との関わりも含めて、注目したい。


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Author:LogosOffice
 本ブログは、2013年度以降に、芦名定道を代表者として交付を受けた科研費による研究内容を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。この間、ブログのタイトルは、「自然神学・環境・経済」から、「自然神学・宗教哲学・自然哲学」へと変化したが、趣旨は一貫しており、かなり自由にさまざまな問題を取り上げきました。2021年4月より、このブログの作成者は、所属する大学が変わりましたが、当面は、同様の内容でこのブログを運営する予定です。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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