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キリスト教思想と哲学1

 聖書研究との関連を辿る中で、哲学的思惟に議論が及んだ。キリスト教思想の中心として位置づけうる神学が、本来、哲学的な学科であったことを考えれば、こうしたキリスト教思想と哲学との緊密な関係については、十分に理解できるであろう(現代に思想状況で哲学とは何かは、さらに問題的であるが)。
 そこで、今回からは、キリスト教思想との関わりにおける哲学へ視点を移したい。といっても、内容は、最近研究室に届いた文献紹介という形をとるため(当面は7回程度)、決して網羅的体系的な議論を行うわけではない。

 出発点は、近世哲学、カントである。カントとキリスト教思想(神学・宗教哲学)という問題は、古典的な問題設定であり、わたくしの研究室に限ってもかなりの文献が存在している(意識的な収集したわけではないが、気がついたら結果的に一定程度集まっていたという感じである)。昨年度後期の新約聖書練習では、パウロ研究の関連で、Eugene TeSelleのHow Kant Influenced Modern Theological Readings of Romans (Daniel Patte and Christina Grenholm (eds.), Modern Interpretations of Romans. Tracking Their Hermeneutical/Theological Trajectory, Bloomsbury, 2013.) を読んだが、カントとキリスト教思想との関連は、19世紀以降の神学思想理解だけでなく、カント理解にとっても、重要であり、この事態は現在の思想研究においても変わりがないことが、確認できた。わたくしが言うまでもないことであるが、キリスト教思想研究にとってカントはきわめて重要である。

 次の文献は、こうしたカント研究の中で、最近のものの一つである。

Terry F. Godlove,
Kant and the Meaning of Religion,
Columbia University Press, 2014.

Preface & Acknowledgements
Introduction

1. Concepts
 I. Enough is Not Everything
 II. The Spacial Theory of Concepts
 III. Preliminary Implications
2. Definition
 I.  Varieties of Definition
 II. Religion in General
 III. Criticism
 IV. Essentialim
3. Reason
 I. The Theorizing Mind
 II. Regulative and Constitutive
 III. Reconstruction
 IV. A Ptolemaic Capstone
4. Experience
 I.  Kant's Non-conceptualism
 II. On Religion
 III. Proudfoot's Criticisms
 IV. The Christian Faith
 V. Dependence and Illusion
5. Self
 I.  James, the subjective, and the social
 II. Kant on self-awareness
 III. The social construction of apperception
 IV. Varieties of conformity today: social, religious, epistemic
6. Meaning
 I.  Explanations of meaning in terms of use
 II. A deflationary account of "God"
 III. From philosophy of religion to religious studies

Conclusion
Notes
Bibliography
Index

 この文献は、一方で、カント研究という性格をもちつつも、英語圏における現代哲学を意識した宗教哲学にとってカント哲学の意義について議論を展開している。途中で(第4章)、シュライアマハーが見当されているのも特徴的である。

  
 
 
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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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