グローバル化における帝国

 先日、久しぶりに、ネグリ(とハート)を取り上げた。現代の政治思想においては、欠くことができない議論であり、特にグローバル化が近代の政治システムにいかなる変化をもたらしたのか、それに対して、どのような仕方で対抗すべきなのか、という問いをめぐる主要な議論の一つである。もちろん、こうした議論との関連で、ネグリを世界的に有名にしたのは、次の文献であり、本ブログでは、しばしば言及したことはあるが、まとまった紹介を行ってこなかった。以下、目次によって確認しておきたい。

アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート
『〈帝国〉──グローバル化の世界秩序とマルチチュードの可能性』
以文社、2003年(2000年)。



第一部 現存在の政治的構成
1-1 世界秩序
1-2 生政治的生産
1-3 〈帝国〉内部のオルタナティブ

第二部 主権の移行
2-1 二つのヨーロッパ、二つの近代性
2-2 国民国家の主権
2-3 植民地主権の弁証法
2-4 移行の徴候
2-5 ネットワーク的権力──合衆国の主権と新しい〈帝国〉
2-6 〈帝国〉の主権
間奏曲 対抗-〈帝国〉

第三部 生産の移行
3-1 帝国主義の諸限界
3-2 規律的統合性
3-3 抵抗、危機、変革
3-4 ポストモダン的、または生産の情報化
3-5 混合政体
3-6 資本主義的主権、またはグローバルな管理社会を行政管理すること

第四部 〈帝国〉の衰退と没落
4-1 潜在性
4-2 生産と腐敗
4-3 〈帝国〉に対するマルチチュード

訳者あとがき
原注
索引

 本書が出版されて、すでに15年ほどが経過し、本書の議論は明確に確認可能になった部分(国民国家から新しい〈帝国〉へ、生産の情報化など)を、ここで描かれていた移行・変化が、いわば停滞し滞っている状況とが存在する。
 議論はさらに精密かつ大胆に進める必要がある。キリスト教思想においても、こうした議論を念頭に、国家や政治、経済を論じうる水準を確保しなければならいだろう。



 
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、今後開設の別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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