『図書』 から

『図書』 2016.12(岩波書店)が届きました。
 今回は、あまり、宗教、キリスト教などに関して、目立ったものが少なかったので(色川大吉、柄谷行人の連載は、紹介してもよいともおもいますが・・・)、簡単な紹介になります。

・三浦佳世:心理学者の美術館散歩12 「夜の画家等・トゥールのグレア効果」 
「一二月二五日はイエス・キリストの降誕日だとされる。・・・すっかり年中行事として定着し、師走の高揚した気分と相俟って、街全体を活気づける一大イベントとなっている」(48)
 これは、冒頭の出だし。
 今回取り上げるのは、「一七世紀にフランスで活躍した画家ジョルジョ・デュ・メニル・ド・ラ・トゥールによって描かれた「新生児」(図1)は、母、祖母、幼子イエスのみが簡素な構図で描かれていて、文字通り、独自の輝きを放っている」との、ラ・トゥールである。

 もちろん、今回のメインは、このラ・トゥールの「新生児」の技法、「闇の中に輝く光の表現」「柔らかな光」が「一部は、「グレア効果」によるものだと思われる」ということである。「ザヴァーニョはこのことを利用して、二〇〇六年に、グレア効果が目ではなく脳で起こる現象であることを指摘した」、つまり、「しばしば、画家の表現は科学者の発見の先を歩く」と言えるわけである。

 ともかくも、最後の締めくくりはこうなる。
「さて、この時期、ラ・トゥールの聖画を見て心穏やかにクリスアマスを過ごすか、ダリの絵を見て残りわずかとなった年の瀬に思いを馳せるかは、どちらも当てはまる季節である。」(51)

・高村薫:作家的覚書 「もう後がない」
「いま世界に蔓延しているのは、論理の整合性を欠いた欲望であり、論理の破綻をものともしない暴走の連鎖である」、「そこかしこで無理が通れば道理が引っ込む、次々に整合性を失って破綻してゆく物事は、一時的な辻褄合わせが施されても、最後には放置されるほかはない。」(15)

全体として、12月を思わせる内容であった。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、今後開設の別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します。
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