2016年度を振り返って

 2016年も本日を残すだけになりました。この1年は、みなさまにとってどんな1年だったでしょうか。
 もちろん、世界や日本の状況などに目をやれば、大きな出来事はいくらでも指摘できるでしょう。アメリカやイギリスに顕在化した政治状況の激変や、熊本地震など。
 しかし、本ブログでは、わたくしの教育や研究に関わる範囲での事柄に目を向けたいと思います。

 まず、挙げるべきは、京都大学でのこれまでの研究の締めくくりについて、基本的な方向性が設定できたことです。これは、「特殊講義」のテーマに現れている、「キリスト教思想の新しい展開──自然・環境・経済・聖書(5)」(前期)から、「キリスト教思想と宗教哲学(1)──「哲学と神学」の歴史的概要──」(後期)への展開です。この特殊講義では、過去、次のようなテーマを扱ってきました。

・キリスト教信仰と言語:「キリスト教信仰のダイナミズム」(1995~1999年度)
・キリスト教思想と自然:「キリスト教思想における<自然>をめぐる諸問題」(2000~2001年度)、「キリスト教思想における自然の諸問題」(2002~2005年度)
・自然から公共性へ:「自然の諸問題から公共性へ」(2006年度)
・キリスト教思想と社会・公共性:「キリスト教思想における社会・政治・民族」(2007~2009年度)、「キリスト教と社会理論の諸問題」(2010~2012年度)
・キリスト教思想と自然・環境・経済・聖書:「キリスト教思想の新しい展開─自然・環境・経済・聖書」(2013~2016年度前期)
・キリスト教思想と宗教哲学:2016年度後期~

 この特殊講義は、必ずしも厳密なプログラムにしたがってなされてきたものではなく、時々に必要になる研究(特に科研によって採択されたテーマ)との関連で進められてきたが、前後のつながりはある程度意識されていた(これに対して、もう一つの特殊講義では、キリスト教思想史が、聖書から現代キリスト教思想まで、通時的に扱われている)。
 この特殊講義が、いよいよ最後のタームである 「キリスト教思想と宗教哲学」 に入ったということが、2016年の最大の研究上の出来事である。

 次の、こうしたテーマの展開は、研究をまとめて書物の形にするということにも現れている。この点では、予定が少し遅れ気味であるものの、2016年に 『近代日本とキリスト教思想の可能性──二つの地平の交わるところ』 として刊行された研究の続編が計画されている(原稿は揃っているおり、それを整理すればよい段階ではあるが)。2016年中にもう一冊でるはずだったものは、2017年度の前半にずれ込むことになった。可能ならば、2017年には、この一連の研究成果を、あと2冊にまとめたいと考えている。

 もちろん、研究のまとめ・総括をおこないつつも、新しい研究も並行して行われている。今年度に形にできる予定のものとしては、南原繁研究がある。これまでは、内村鑑三から矢内原忠雄へと研究を進めてきたが、それが南原まで到達したということである。
 また、新しく始めたこととしては、『福音と世界』 における連載 「現代神学の冒険」 が挙げられる。これは、これまで行ってきた研究の整理という側面があるだけでなく、新たに多くの研究を追加することが必要になる。その点で、連載を引き受けることができるかについてはやや不安はあったが(授業や研究のスケジュールに組み入れることについて)、ともかく、スタートし、すでに、連載は4回まで進み、5回目も入稿済みである。一冊の研究書のイメージで言えば、ようやく序論がおわり、本論に入りかけたところであり、本来の内容はこれからである。

 そのほかにも、授業でも、研究でも、さまざまなことがあったが(2016年Dから3年間の計画で、科研が採択され、それに応じてあたらしいブログを開設したことや、講義で映画や音楽をまとめて取り上げたこと)、忙しさの中で、気がつけば年末といったところである。
 すでに、2017年のことについても、若干触れることになったが、今後のことについては、明日のブログで、述べることにしたい。
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プロフィール

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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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