日本における組織神学の試みから4

 先日、久しぶりに、「日本における組織神学の試み」を掲載したので、このカテゴリでの紹介を継続したいと思います。本来のこのカテゴリを設定することにした理由の一つは、次の文献を紹介することになりました。それは、おそらく、日本における組織神学研究の第一級の成果、あるいは充実した内容を伴って完成したといえる数少ない日本人による教義学です。

熊野義孝
『教義学』『熊野義孝全集』第七巻、第八巻。全集では上下2巻となっているが、もともとは三巻の形)
新教出版社、1980/82年(1954-1965年)。

第一巻 神

第一篇 序論
  第一章 教義学の課題と方法
  第二章 聖書の権威

第二篇 唯一の神について
  第一章 神の知識
  第二章 神の現実存在
  第三章 神の恩寵行為

第二巻 創造

第三篇 創造について
  第一章 創造論の成立
  第二章 神の摂理
  第三章 人間とその歴史的罪過
  第四章 律法

附記

第三巻 宥和と自由

第四篇 宥和について
  第一章 和解論の原理
  第二章 主イエス・キリスト(一)
  第三章 主イエス・キリスト(二)
  第四章 新しい契約

第五篇 自由と完成について
  第一章 キリスト者
  第二章 教会
  第三章 聖礼典
  第四章 教会論の周辺

解説 (大宮溥) 

 上下巻全体で、1100頁を及ぶ教義学であり、繰り返し参照に耐えるしっかりした内容である。第一巻の序によれば、熊野義孝の神学体系としては、キリスト教本質論(『キリスト教概論』1947年、『キリスト教の本質』1949年)、信仰論、教義学を合わせたものとして構想されているわけであるが、その中心が教義学にあることは間違いないであろう。
 また、全集第五巻に所収の『終末論と歴史哲学』(1933年)を教義学体系に組み入れることも可能かもしれない。さらには、教義学と隣接するキリスト教弁証学やキリスト教倫理学の内容についても全集のほかの巻に含まれた論考と対応させるできるように思われる。
 この教義学が出版され、すでに半世紀以上が過ぎ、キリスト教思想には新しい問題・テーマが出現し、新たな思索が積み重ねられた。しかし、現時点で、熊野義孝教義学を超えるものを見いだすことは、日本のキリスト教思想会ではほとんど困難と思われる。
スポンサーサイト
プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、今後開設の別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR