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ル=ゴフ5

 ル=ゴフの中世研究は多岐にわたる示唆に富んだものですが、その中でも、重要なものの一つが、中世の貨幣・経済をめぐる研究が挙げられます。これは、貨幣や経済から中世の全体(教会、王権、修道制、大学、農業)を描き出す試みであり、中世についての知見を大きく前進させるものであったと思われます。

ジャック・ル=ゴフ
『中世と貨幣──歴史人類学的考察』
藤原書店、2015年。

謝辞


第1章 ローマ帝国とキリスト教化の遺産
第2章 カール大帝から封建制へ
第3章 十二世紀末から十三世紀初頭にかけての貨幣の急増
第4章 貨幣の最盛期としての十三世紀
第5章 十三世紀の商業革命における交易、銀、貨幣
第6章 貨幣と揺籃期の国家
第7章 貸付、債務、高利貸し
第8章 新たな富と貧困
第9章 十三世紀から十四世紀へ、貨幣の危機
第10章 中世末期における税制の完成
第11章 中世末期の都市、国家、貨幣
第12章 十四、十五世紀野物価、賃金、貨幣
  〈補遺〉中世の土地市場は存在したか
第13章 托鉢修道会と貨幣
第14章 ユマニスム、メセナ、金銭
第15章 新本主義か愛徳か
結論

訳者あとがき
原注
参考文献一覧
人名索引

 結論(の一端)は、「中世の貨幣使用は贈与経済に含まれ、貨幣は神の恩寵への人間の全面的な服従に関わっている」、「正当価格理論に見出されるような正義の追求」と「愛徳(カリタス)によって表される精神的要求」。
 「資本主義が誕生したのは中世ではなかったこと、また中世は前資本主義的時代ですらなかったこと」。

 ル=ゴフによれば、長い中世は18世紀前半にまで及んでいる。これは、トレルチの議論を補完するものと解釈できるだろう。
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プロフィール

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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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