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グロ-バル化をどう捉えるか

 グローバル化は、現代世界を論じるキーワードであり、すでに多くの議論がなされてきた。キリスト教思想・神学においても同様である。しかし、グローバル化の深層・真相に、十分に接近できているだろうか。おそらく、まだ先があるというのが、実感あるいは予感のように思われる。
 今回、取り上げるのは、制度的再帰性という観点から近代を分析した社会学者アンソニー・ギデンズによるグローバル化についての分析である。コスモポリタンとリスク、これがきむあわさr句合わさって、組み合わさって、伝統の変容、民主主義の危機が語られる。

アンソニー・ギデンズ
『暴走する世界──グローバリゼーションは何をどう変えるのか』
ダイヤモンド社、2001年。

はじめに
第1章 「グローバリゼーション」の本質
第2章 多様化する「リスク」
第3章 「伝統」をめぐる戦い
第4章 変容をせまられる「家族」
第5章 「民主主義」の限界

訳者解説:構造改革への処方箋 (佐和隆光)
参考図書リスト
索引

伝統も家族も変化せざるを得ないし、変化してきた。第5章は、次のような項目が並ぶ。
多岐多様な民主主義
成熟への道のり
おしよせた民主化の波
民主主義のパラドックス
盛時に対する新たな関心
求められる「民主主義の民主化」
グローバル化時代の真の民主主義へ
政府、市場、市民社会、そしてメディア
国民国家の枠組みを超えた民主主義
「暴走する世界」を統治しうるもの

 時代は、新自由主義が世界を席巻し、カラー革命が進行中だった。「真の民主主義」への道のりは確かに遠い。また、現代においては、近代の人権・民主主義の土台であった近代ヒューマニズムを「非人間中心主義的な人間学」への改定が求められている(モルトマン『希望の倫理』)。

 
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Author:LogosOffice
 本ブログは、2013年度以降に、芦名定道を代表者として交付を受けた科研費による研究内容を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。この間、ブログのタイトルは、「自然神学・環境・経済」から、「自然神学・宗教哲学・自然哲学」へと変化したが、趣旨は一貫しており、かなり自由にさまざまな問題を取り上げきました。2021年4月より、このブログの作成者は、所属する大学が変わりましたが、当面は、同様の内容でこのブログを運営する予定です。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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