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『図書』より

 『図書』(岩波書店、2018. 3)が届きました。大学は、二日間にわたった大学入試が終わり(採点はまだまだですし、また問題ミスがでましたので、決して終わったわけではありません)、文学部としては、3月2日の聴講生・科目等履修生の試験が、次のものとなります。こうして、3月がスタートします。

 今回も、キリスト教思想や宗教学に関連したエッセイは見あたりませんでしたが、範囲を日本哲学史に広げれば、いくつかのエッセイが目に付きます。

・小浜善信「九鬼周造の押韻論──天球の調を聴く」
「九鬼は押韻論において詩の音楽性を強調するだけではない。そこには九鬼哲学の主題であった「偶然論」と「時間─永遠論」も絡んでいる。」
「宇宙の音楽を聴き、そこに永遠と無限を垣間見ることのできる日本人の敏感な感性と、それを定型押韻詩のかたちで表現しうる日本語の豊かな可能性への確信があったからこそ、九鬼は日本詩における押韻について強調したのだと思われる。」

 この九鬼の押韻詩についての論文の試問に副査として参加したことを思い起こした。

・大澤聡「編集する三木清(中)──未公開書簡と「岩波講座 世界思潮」の周辺」

 「「岩波講座」というブランドはどんどん確立されていく」ことの発端にあった話である。しかし、最近講座が多すぎるというのは、わたくしだけの感想だろうか。

 以上のほかに、興味深かったのは、次の二つ。
・松井玲奈「〈ジブリ飯〉の香に誘われて」

 ジブリは、様々な切り取り方ができる素材であるという点でも、なかなかの存在である。しかも、ナウシカにしても、アニメとして映像化されたものだけではなく、マンガ版(?)がまったくことなる形で完結しているのも、面白い。ジブリとヒューマニズムとの関連ということが問題にできるのも、このあたりの話である。

・ブレイディみかこ「女たちのテロル 革命前夜」
「クリスマス休暇をアイルランドで過ごし、スコットランドのグラスゴーに戻ったマーガレット・スキニダーは、再び数学教師として働きながら、蜂起決行のサインとなるべき「言葉」を待っていた。」
「復活祭の休暇中のダブリンは不気味に静まり返っていた。百年後までアイルランドの人々が誇りをもって語る戦いが明日はじまることを、この街はまだ知らなかった。」

 1919年の、イースター蜂起のこと。歴史はアイルランド独立戦争へ。
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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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