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中世哲学研究7

 わたくしの手元にある山田晶の中世研究文献は、今回で一区切りとなります(中央公論社刊行の『アウグスティヌス』『トマス・アクィナス』などは、省略です)。

山田晶
『トマス・アクィナスの《レス》の研究』(中世哲学研究第四)
創文社、1986年。

まえがき

一 プラグマとレス
 Ⅰ プラグマの意味
 Ⅱ プラグマと存在
 Ⅲ プラグマとレス 
二 ウシアとレス
 Ⅰ ウシアの意味
 Ⅱ ウシアとレス
 Ⅲ エッセンチアとレス
三 被造のレス
 Ⅰ 神の知とレス
 Ⅱ 神の意志とレス
 Ⅲ レスの原因と理由
 Ⅳ レスの個別性
四 キリストのレス
五 レスとラチオ
付論
 一 トマス・アクィナスにおける《レス》の規定                  
 二 神の存在論証における《レス》の問題

あとがき
人名索引
文献表

 山田晶の著書は、いずれも大著と呼ぶべき大きさであるが、本書は、1000頁近くに及ぶ大部な書であり、細目次は膨大なものとなる。
 また、「まえがき」は、これまでのような「回顧と展望」ではなく、短めのまえがきであるが、全体の問題意識は、完結に記されている。
 「はじめてトマスの『スンマ』を読み始めたころ、そこに頻繁に出てくる「ラチオ」ということばの意味が気になった」(i)
 「ところが探究を進めてゆくと、「ラチオ」よりもっと厄介なことばに気がついた。それは「レス」である。・・・「レス」は、すべてのラチオがそこから取り出される「根原」なのである。」(ii)
 中世哲学研究構想では、この「レス」の研究のあとに、「ラチオ」が位置しており、この構想の目標が「ラチオ」の解明であり、それまでの膨大な研究は、探究の道であったことがわかる。この「ラチオ」研究は刊行されることがなかったが、「五 レスとラチオ──中世における神学の二つの伝統」はその方向性を示すものと言える。

 わたくしは、本書の一端を講義において聞くことができたが、「一」の「Ⅱ」で詳細に論じられた「ミメーシス」論は、リクール解釈学のミメーシスを掘りさげる上で、きわめて示唆的であり、また「付論」の「二」は、アンセルムスをめぐり現代にまで至るまでなされてきた論争史という点で、自然神学を再考する上で参照すべきものであった。
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プロフィール

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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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