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アガンベン・メモ(a24)

6 習慣的な使用
6・1
 ここでは、「使用」の問題が、アリストテレス主義(アリストテレスからトマスまで)においていかに扱われているかについての分析から議論が開始される。

 この伝統においては、「使用をエネルゲイア[活動・現勢化]の同義語として理解しており、したがって、デュナミス[可能態]ないしヘクシス[性状・習慣]から切り離したままにしておこうとしている。」
トマス、「「使用」という語は現勢化を意味しており、なんらのか仕方でも可能態ないし性状・習慣を意味しない。」
ガレノス、「エウクレースティア」「働きとか、可能態から現勢化への移行ではなくて、なにか習慣的な状態のようなものを意味している。」

 「習慣と使用から出発して、アリストテレスの可能態と現勢化、デュナミスとエネルゲイアの理論を一から再考し修正することを意味する。」「アリストテレスは、ここでわたしたちが使用として考えようとしているものを分裂させてしまったうえで、分裂の結果生じたものを可能態と現勢化と呼んだのだった、と言えるかもしれない。」「可能態になんらかの実在性を確保するため」
「習慣とは、可能態が可能態として存在しつづけながらそれに実在性があたえられるさいに形式なのである。」

 しかしながら、「いったんは中和化された、漠然とした可能態のアポリアは、それがあたえられた新しい実在性のなかでただちに再生産される。」「習慣と現勢化の区別が維持されるためには、ヘクシスが」「エネルゲイアに変移してしまわないためには、ある「技術なり知識なりもっている人がそれを行使しないでいられること、現勢化へと移行しないでいられることが必要である。」
「アデュナミア」「現勢化へと移行することのない能力を意味している。」「ヘクシスを」「夢に」、「エネルゲイアを」「覚醒になぞられている。」
「アポリアが、いっそう尖鋭なかたちでふたたび姿を現わす」「あらゆる可能態-性状・習慣には現勢化へと移行することのない能力が還元不可能なかたちで内属しているのだとしたなら、それを移行に限定することはどのようにすれば可能になるのか。」

 「アリストテレスは、使用をエネルゲイアおよび活動状態になることに同化・吸収し、それを性状・習慣から覚醒を夢から分離するのと同じように分離することによって、思考をそれがたどる道から永続的に踏み外させてしまった。」
「性状・習慣を現勢化へと移行しないでいる可能性から出発して」「習慣的な使用を思考してはじめて、可能態についてのアリストテレスの思考が遭遇して難破してしまったアポリアは解消される。」

 可能態概念の再構築とそのための「習慣的な使用」
 しかし、「ある「技術なり知識なりもっている人がそれを行使しないでいられること」とは、現代の科学技術を考える上で重要な意味をもっている。もちろん、これが難問なわけではあるが。
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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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