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組織神学の動向

 キリスト教神学の伝統的な学科として、組織神学を挙げることができる。教義学や、弁証学、倫理学との関係をどのように規定するかで、さまざまな性格付けが可能であるが、特にプロテスタント神学において、組織神学は、教派的な特徴を明確に示すものとして、中心的な位置を占めてきた(ドイツ神学的伝統では、とりわけそうである。そして、日本も)。20世紀は、組織神学・教義学に関して重要な著作が刊行されたという意味で、組織神学によって特徴づけられてきたと言えるかもしれない。バルト、ブルンナー、ティリッヒ、エーベリンク、モルトマン、そしてパネンベルクらである。
 こうした20世紀を代表する組織神学の中で、日本では、これまで、エーベリンクとパネンベルクの組織神学については翻訳が行われていなかったが、いよいよ、パネンベルクの大著である組織神学(全三巻)の邦訳の事業が開始され、その第一巻が刊行された。ドイツ神学の伝統に立つ組織神学の基本的な形をここに確認することができる(この点でも、モルトマンとは対照的である)。

W・パネンベルク
『組織神学 第一巻』
新教出版社、2019年10月。



第1章 組織神学の主題としてのキリスト教の教理の真理
第2章 神思想とその真理についての問い
第3章 諸宗教の経験における神と神々の現実
第4章 神の啓示
第5章 三一論的神
第6章 神的本質の一体性とその諸属性

訳者のあとがきに代えて
 パネンベルク「小自叙伝」が語りかけるもの


聖書箇所索引
人名索引

 パネンベルク神学は、その練り上げられた方法論(歴史的思惟・普遍史、科学論、人間学)に特徴があるが、こうした土台に立った神学体系の構想であり、パネンベルクらしい組織神学といえる。とくに、三一論に入るまでの、4つの章に、その点はよく現れており、第3章などは、モルトマンと共に、ペネンベルクが1970年代以降の神学的状況で組織神学を構築していることを、明確に読み取ることができる。また、最後に付せられた「小自叙伝」は、パネンベルクという神学者を知る上で、参考にできる。
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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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