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キリスト教思想の焦点としての言語31

 現代の言語をめぐる問題は、テキスト・解釈・読書といった問題連関において、受容美学に到達することになった。前回は、ヤウスを取り上げたが、受容美学となると、とくに解釈学や聖書学の関わりで、中心になるのは、イーザーである。作品(とくに文学)を読むとははいかなる行為であり、意味の形成は読解過程でいかに進行し、読者の生活世界に接続するのか、といった問題を、具体的な作品の読解を通して論じた研究は、聖書テキストを読解するという問題にとっても、重要な意味をもっている。思想的なテーマは、ある時期に集中的に論じられても、しだいに取り上げられることが少なくなるということがよく見られる。受容美学も、そうした思想の流行現象と捉える人もいるだろう。しかし、そこで取り組まれ提起された問いは、流行で片付けられない射程をもっているように思われる。

W・イーザー
『行為としての読書──美的作用の理論』
岩波書店、1982年。

日本語版への序文
Ⅰ 問題領域──文学の解釈は意味論と語用論のどちらにかかわるか
 A 部分芸術対普遍的解釈
 B 作用美学理論のための予備的考察

Ⅱ 機能史から見た文学テクストモデル
 A テクストのレパートリィ
 B テクストのストラテジー

Ⅲ 読書の現象学
 A テキスト理解の行為
 B 読解過程における受動的綜合

Ⅳ テキストと読者の相互作用
 A テクストと読者の不均衡
 B 構成行為の推進力

受容美学と美的作用理論が求めるもの求められるもの
  ──訳者あとがき

訳注
原注
事項索引
人名索引

 このイーザーの文献は、わたくしも、自分の研究で繰り返し参照したものであり、当然、原著は手元にある。

Wolfgang Iser,
Der Akt des Lesens,
W. Fink, 1976.

 イーザーの読解の現象学をテキスト解釈学として展開したものとして、リクールが挙げられ、また、日本における聖書学でイーザーを取り上げているものとして、大貫の研究が存在する。

ポール・リクール
『時間と物語 Ⅰ──物語と時間性の循環 歴史と物語』
新曜社、1987年(原著 1983年)。

大貫隆
『福音書研究と文学社会学』
岩波書店、1991年。

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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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