FC2ブログ

大学教育の現場から

 日本において大学教育が問われて、すでに長い年月が経過した。その動向は現在も進行中である。日本の議論の特徴は、大学の内発的な仕方での問いというよりも、基本的に、外部から、教育の直接関わらない視点からの批判と連動した問い直し、いわゆる改革が大きな影響を及ぼしてきたことである。しかも、改革がさまざまになされその弊害が深刻になり、場合によっては改革が実質的にいわば終了したにもかかわらず、その批判的な検討もなされずに、だれも責任を負うことなく、次の改革が叫ばれることがあまりにも多い。大学ランキングやノーベル賞の数、ということでは、現在がいわばピークであり、今後は下方局面に入る、これは、この30年間の改革が研究力の低下を帰結したことからきわめて蓋然性の高い予想である。
 先日、大学の現場からの文系学部・教養の諸問題を論じた論集をお送りいただいた。著者は、ヘーゲル研究を中心に現在活躍中の哲学者である。簡単に紹介したい。

寄川条路
『教養としての思想文化』
晃洋書房、2019年。

まえがき

序章 若者の未来をひらく教養と教育
第1章 コミュニケーションとしての教養
第2章 教養はいまどこに?
第3章 メディア論と知のパラダイムシフト
第4章 インターカルチャーと異文化の哲学
第5章 グローバル・エシックスとは何か
第6章 人文学とリベラルアーツのゆくえ
終章 新しい時代のひらく教養と社会

あとがき

 180頁弱の大きさで、明快な内容の論集である。人文学に関心のある学生(あるいはこれからを学び始める人)が、さまざまに考える手がかりを提供してくれる。著者がさまざまな機会に論じてきた議論を、「ひとつの教養論」へ仕上げたとのことである。
スポンサーサイト



プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター
カレンダー
10 | 2019/11 | 12
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR