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アガンベン・メモ(b25)

2・5
 新プラトン主義がアリストテレスの装置に何をもたらしたかということ、グローシス主義の位置づけが問題になる。

「存在の分割というアリストテレスの装置(本質/現実存在、可能態/現勢化)は揺るぎなく堅持されているものの、相対立する二つの項のあいだの関係完全に変化してしまっている。」
「アリストテレスの装置におけるヒュポケイメノン、すなわち根底に横たわっている基体は、「あった」存在としてのティ・エーン・エイナイをつうじて再捕捉されるべきはずであったものが、いまや分裂して無限の逃走過程に入り込んでしまう。」
「一方では、捕捉することも言表することもできない始元があって、存在のかなたへと前進または後退していこうとしており、他方では、それが現実存在へとヒュポスタシス的な発出を繰り返している。」
「アリストテレスの存在論は修復不可能なばかりにひび割れを起こしてしまっている。」「存在と言表活動のかなたへと逃走していく先に置かれた基体と、もろもろの多様なヒュポスタシスとのあいだには、なんらの通路も存在しないようにみえるのだ。」

「矛盾した緊張」「プラトンの永遠とアリストテレスの時間とのあいだの緊張でもある」「プロティノスとポルピュシオスのヒュポスタシス理論は空しくも解決しようとしているのだった。」
「アリストテレスの装置において暗々裡になされていた存在への時間の導入は」「ヒュポスタシスの循環運動という形態をとることとなる。」

ここで二つ注が入る。
・プロクロス:「プロティノスのヒュポスタシス的存在論を体系化しようとしている。」
「純粋にプラトン的な概念(分有、類似)をアリストテレス存在論のカテゴリーと和解させようとする新プラトン主義的こころみが必然的にもろもろのアポリアを生み出していて・・・」
・「ヒュポスタシスという概念はグノーシス主義において格別の重要性を有している。プロティノスはグノーシス派をヒュポスタシスをむやみやたらに増やしていると言って非難」
「ヒュポスタシスが主体化の場所」「現実存在に先だって存在するものから現実存在に向かう存在論的過程がなにかペルソナ的な形象のようなものを見いだしていることがはっきり現われている。グノーシス派のヒュポスタシスのなかで、アリストテレスの「基体」(ヒュポケイメノン)はそれを近代的な主体へと変容させていくこととなる過程に入りこむのである。」

 この先には、正統キリスト教神学の概念構成が展開する。
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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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