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アリストテレスと自然科学・自然学

 アリストテレスは、西洋思想に決定的な影響を及ぼしてきた思想家の一人であるが、その特徴の一つは、自然学・自然科学についての豊かな知見に基づいた思想展開を行っていることであろう。生命・生物についても、アリストテレスの議論は、19世紀まで生命論を大きく規定してきたものであり、19世紀の進化論論争は、アリストテレスの影響ぬきには理解できない。
 現在、新しいアリストテレス全集が刊行中で、いよいよ完成に近づいている。今回は、動物の発生に関わる議論であり、進化論とも重なる領域を扱った文献である。

『アリストテレス全集11 動物の発生について』
岩波書店、2020年。

凡例

第一巻
第二巻
第三巻
第四巻
第五巻

解説
索引

 以上だけでは内容はわからないが、詳細な解説と索引が付されているのは、これまで刊行の巻と同様である。

解説によれば、「本書に関しては、「発生学について書かれた最初の重要な概説であるが、構成がよく整った著作ではない。・・・」といった厳しい指摘」がなされてきたが、最近の研究の傾向としては、「本書の論述全体を統一的なテーマと問題設定に基づく、一貫性のある議論を構成するものとして理解しようとする動きが、研究者たちの間で見られるようになっている」(358)とのことである。

わたくしなどが注目したいのは、進化論との関わりで問題となる、「「怪物」(体の特異な形状、奇形等)の生成とその原因」(第四巻第四章)というテーマが含まれていることである。より一般化すれば、自然における悪(自然的悪)の存在と神(善性、全知全能)との関わりをめぐる難問は、このテーマに関わっている。
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プロフィール

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Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、内容的にこの科研のテーマ(「自然神学・環境・経済」)に限定されない諸問題を扱うことが多くなったため、本ブログのタイトルと趣旨を変更したいと考えました。新しいタイトルは「自然神学・宗教哲学・自然哲学」となります。もちろん、これまで同様にさまざまな問題を取り上げます。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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