政治神学と多元性

 政治神学という用語は、さまざまなニュアンス・イメージが伴った仕方で理解されるなど、敬遠された時期もあるが、モルトマン以降、キリスト教思想の分野でも、一つの神学テーマ(神学における政治的な事柄についての考察、政治的事柄をテーマ化した神学思想・・・)を示す用語として使用されるようになり、現時点では普通に用いられてきている。
 現在の宗教状況が多元性という特徴を有することは多くの論者が共有する認識であり、政治神学も、この多元性を無視しては現実の政治的事柄を扱うことはできない。ここで、紹介するのは、こうした問題意識を反映した論集である。もちろん、この論集と所収の諸論考が政治神学的考察としてどのように評価できるかについては、内容に立ち入った論評が必要である。

Michael Jon Kessler(ed.),
Political Theology for a Plural Age,
Oxford University Press, 2013.

Acknowledgements
Contributors

Introduction: Political Theology in a Plural Context (Michael Jon Kessler)

Part One: Theologies of the Political
1. A Conversation (Michael Jon Kessler, John Milbank, and Mark Lilla)

Part Two: Domesticating Religion:
The Abrahamic Faiths and the Democratic State
2. The Great Combination: Modern Political Thought and the Collapse of the Two Cities (Patrick J. Deneen)
3. History and Essence: The Construction of a Modern Jewish Political Theology (Jerome Copulsky)
4. Christianity and the Rise of the Democratic State (Eric Gregory)
5. Is the King a Democrat? The Politics of Islam in Morocco (Paul Heck)

Part Three: Confronting Pluralism:
Main Trends in Political Theologies Today
6. Difference, Resemblance, Dialogue: Some Goals for Comparative Political Theology in a Plural Age (Michael Jon Kessler)
7. Gauging the Satus of Political Theologies: Rhetorical Analysis of the Media Construction of Political Islam (Elizabeth Bucar)
8. The Future of Political Theology: From Crisis to Pluralism (Robin Lovin)
9. Doing Political Theology Today (David Novak)
10.Augustinian Christian Republican Citizenship (Charles Mathewes)
11.Islamic Political Theologies and International Relations (Jocelyne Cesari)

Index

 一つの議論の文脈が踏まえられてはいるが、やや偏った印象を受ける(アブラハムの宗教における多元性がメインであることは別にしても)。政治的なものや多元性についての議論はさまざまとしても、「神学」という言葉はどのように使用されているのか(使用されうるのか、使用されるべきか)。
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