社会脳研究の挑戦2

 前回に続き、「社会脳シリーズ」の2冊目を紹介します。前回が、いわば総論的な論集であったのに対して、今回は、倫理・社会意識という観点からの論集になります。脳神経倫理学は、日本においても比較的まとまった議論がなされている分野であり(脳神経宗教学に比べればはるかに)、有名なリベットの実験などは、この分野で問題にされることになります(論集の第2論文)。

苧坂直行編
『道徳の神経哲学──神経倫理からみた社会意識の形成』
新曜社、2012年。

「社会脳シリーズ」刊行にあたって
社会脳シリーズ2 『道徳の神経哲学』への序

1 道徳の神経哲学(信原幸弘)
2 社会脳研究と自由意志の問題(鈴木貴之)
3 社会脳研究と社会との関係──脳神経倫理の視点から(福士珠美)
4 ニューロエンハンスメントの倫理(植腹亮)
5 社会脳と機械を結びつける(植原亮)
6 笑いの神経科学(岩瀬真生)
7 快感脳・暴力脳・社会──ブレインマシンインターフェースの余白に(美馬達哉)
8 刑法における嫌悪感情の役割と社会脳──リーガル・モラリズムと嫌悪感情(原塑)

文献
事項索引
人名索引

 神経倫理は、脳科学関連領域の中で宗教研究にもっとも関連の深い研究領域の一つであり、この論集に論考を執筆している研究者は、この領域ではよく知られた研究者である。2008年に勁草書房から、信原幸弘・原塑編で、『脳神経倫理学の展望』という論集が刊行されたが、そこでの執筆者が今回も論考を寄せている(中には以前に研究会でご一緒した方も含まれている)。二つの論集を比較して、研究の進展はどう読み取ることができるだろうか。基本的には、「社会脳」がキーワードとして登場している点が大きな変化といえるのかもしれない。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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