『福音と世界』から

『福音と世界』(2013.12)が届きました。

今回の特集は、「キリスト教平和主義と現実政治」で、以下の論考が掲載されています。
・池住義憲「キリスト教平和主義と憲法9条」
・崔亨黙「韓半島の平和体制確立と東北アジアの平和」
・高橋康浩「アメリカの平和主義とキリスト教」
・アガスティン・サリ「カトリック教会の平和理解」
・西本あづさ「キング牧師と「私には夢がある」の再記憶」

 現代日本の思想・政治状況を考えるとき、改めてキリスト教平和主義を問うことは重要な意味があるように思われる。これは、今回収録された「特定秘密保護法案に反対する声明」(キリスト教関連の新聞雑誌の編集長連名)にも当然関わっている。そのほかに、赤江達也さんの宮田光雄『日本キリスト教思想史研究』への書評も、平和の問題との関わりで読むことが出来るだろう。

 連載では、太田愛人さんの「大正・昭和キリスト教史の周辺6 ブゼルとその系譜」や、「旅する教会──再洗礼派とバプテストの出会い」(津田真奈美)も、興味深いが、連載の中では、横田耕一さんの「自民党改憲草案を読む8」は、今回も重要な問題を扱っている。それは、「「日本型人権」……これでも「人権」か?」というタイトルです。
 もちろん、日本型人権とは、用語として確立している「人権」概念からは明確に逸脱したものであり、そこでは人権という用語を用いるべきではなく、別の言葉を使用すべきというのが正論です。人権が「和」であったり、助け合いの精神や義務に基づくというのは初歩的であっても根本的な(そしておそらくは意図的な)誤謬であって、人権は、「権利」という点を外しては成り立たないことを、近代教育を受けた者ならば、学んでいてしかるべきであろう。

 また、連載されてきた、荒井献「新約釈義 使徒行伝」が今回で最終回を迎えた。いずれ、新教出版社から刊行されるものと思うが、ご苦労様でした。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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