聖書学と言語、レトリック論1

 本ブログは、聖書学・聖書解釈から社会思想へという展開を中心テーマの一つにしているが、ここでポイントとして設定しているのが言語の問題である。特に、隠喩論を含むレトリック論は、議論の中で重要な位置を占めており、聖書学においても、レトリック論への関心はさまざまな研究者によって共有されている。

 今後、こうした議論の広がりを確認する作業を行ってみたい。
 まず、日本の研究者から。新約聖書学でのレトリック論と言えば、この人物であろう。

原口尚影
『ロゴズ・エートス・パトス──使徒言行録の演説の研究』
新教出版社、2005年。

第1章 使徒言行録中の演説の修辞学的研究の課題
 第1節 使徒言行録中の演説の主要な先行研究
 第2節 使徒言行録中の鉛説の修辞学的研究の課題

第2章 使徒言行録とレトリック(修辞法)
 第1節 歴史家とレトリック(修辞法)
 第2節 使徒言行録の物語空間と修辞法
 第3節 二重の読者層と修辞的機能
 第4節 使徒言行録中の演説

第3章 ペトロの演説

第4章 パウロの演説

第5章 その他の人物の演説

第6章 結論
 第1節 言語行為としての演説
 第2節 ロゴス・エートス・パトス
 第3節 登場人物の個性と修辞法:演説者と聴衆
 第4節 演説中の叙述(陳述)
 第5節 演説の中断の問題

文献表

 内容的に、哲学や文学といった諸領域の研究と密接な関連の予想される研究であるが、基本的には聖書学的な範囲に限定した議論・分析が進められている。やや残念な気もするが、それだけに情報はしっかりおり、貴重な研究である。おしらく、ここから政治思想や共同体論へと展開されるべきであろう。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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