古代オリエントから日本・アジアまで

 昨日、この3月末に立教大学を退職される月本昭男先生から、著書の献本をいただいた。これまでも、多くの著書を贈呈いただいたことにあわせて、この場を借りてお礼申し上げたい。
 今回の著書は、月本先生が新聞や雑誌に寄せた文章を集めた文集であり、専門の学術書とは異なり、先生の学問とその背後にある関心の広がりが示されている点で、興味深い。実際、収録された文章のテーマは広範に及んでおり、専門研究が単に狭い研究分野を精密に論じることに尽きるのではなく、実はそれを支える広く深い問題関心と学識が存在することをうかがい知ることができる。

月本昭男
『この世界の成り立ちについて──太古の文書を読む』
ぷねうま舎、2014年。

コスモス創成

第一章 大洪水から
    洪水伝説
  海を鎮める神
    『アトラム・ハシース』
    『エヌマ・エリシュ』
  ギルガメシュ
    『ギルガメシュ叙事詩』
  人間により地は汚された  
    『創世記』
  開闢の神話
    宇宙観
    他界
  時間
  ト占の原理
  一神教と多神教
    一神教と多神教
  ハヌニム

第二章 死と向き合って
  震災と内村鑑三
  新島襄と内村鑑三
  死者供養
    死者儀礼
  ピューリタンの墓
    死んで甦る神
  虜囚
    葬送儀礼
    冥界
  弔蛙
  抹殺された詩

第三章 他者に
  友情物語
  楔形文字
    図書館
  「落ち穂拾ひ」の心
    異邦人として生きる──『ルツ記』
  「出エジプト」という民族伝承がもつ意味
    十戒
  預言者
    アジュール
  油注がれた者

第四章 自然の呻き
  東日本大震災を経験して
  地の嘆き
  預言としての「洪水物語」
  『ホセア書』にみる人間の悪
  回復のはじまり
  大地との契約
  警鐘を鳴らす者
  聖書の背景ある環境危機
  被造物の呻き、苦しみ

第五章 天罰という思想と、それへの反乱
  1 旧約聖書と苦難
  2 因果応報の思想
    『エゼキエル書』
  3 破壊をあざ笑う神──ヨブの挑戦
    因果応報論の放棄──ヨブの場合
  4 空の空──コーヘレトと不条理
    知恵の危機
  5 身代わりの苦しみ──「苦難の僕の詩」

第六章 旧約聖書と子供
  幼子
  弱者の受難と救済
  小児供犠
  生け贄の子羊
  自立
  畏れを反抗

第七章 古代オリエントを掘る
  テル・ゼロールからテル・ヘシェルまで
  意外性の魅力
    キブツ
  シャローム
    パレスチナ
  ユダヤ人僧侶
    ヘブライ人
    ハビル

終章 一三歳の君へ

あとがき
初出一覧

 月本先生とは、日本宗教学会や日本基督教学会という場においてのお付き合いであり、わたくしの方としては、先生の古代オリエントと旧約聖書(詩篇)について研究から、多くを教えられてきた間柄である。
 先生は、立教大学を停年退職され、4月からは上智大学神学部で研究と教育に携わるとのこと、立教大学での33年、ご苦労様でした。今後ともよろしく、お願いいたします。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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