歴史の中の生命倫理

 生命倫理は、応用倫理学の中でもっとも蓄積があり、日本の大学教育にすっかり定着してすでに久しい。キリスト教思想との関係においても英語圏を中心に多くの議論がなされ、日本でもこうした問題意識は共有されたものと思われる。その意味で、生命倫理は一つの歴史的な事柄であり、その歴史的意義が問題にされてしかるべき状況にある。こうした観点から、つまり「歴史を遡行して生命倫理の現状を再考する」試みが、一つの論集として刊行された。

香川知晶、小松美彦編
『生命倫理の源流──戦後日本社会とバイオエシックス』
岩波書店、2014年。

序論(香川知晶)

第I部 生命をめぐる1960─80年代日本の状況
 第1章 日本の生権力システム──1970─80年代(廣野喜幸)
 第2章 科学技術政策とライフシステム──1960年代以降における倫理思想の出来と行方(小松美彦)
 第3章 「人類存亡の危機」をめぐる思想のゆくえ──1970年代の日本の岐路(田中智彦)
 第4章 「積極的に知らせる必要はない」検査──優生思想と生命倫理(香川知晶)
 第5章 死から生への転回──仏教者の生命倫理への関わり(爪田一寿)
 第6章 人間らしさを求めて──生命倫理をめぐるキリスト教界の動向(土井健司)

第II部 キーパーソンの証言
 はじめに(竹田扇)
 第1章 戦後日本の科学技術政策と生命科学(中曽根康弘)
 第2章 科学者の責任とバイオエシックス(渡辺格)
 第3章 総合科学としてのバイオエシックス(今堀和友)
 第4章 日本発の精神と生命誌への歩み(中村桂子)
 第5章 日本におけるバイオエシックス導入と展開、覚書(大林雅之)
 第6章 市民の権利運動としてのバイオエシックス(木村利人)
 第7章 和田心臓移植とバイオエシックス(小川秀道)
 第8章 患者・被験者の権利を守るとは(光石忠敬)
 第9章 真言密教の生命観(松長有慶)
 第10章 浄土真宗の生命観と生命倫理(信楽峻麿)
 第11章 キリスト教神学の生命科学の間(アンセルモ・マタイス)
 第12章 バイオエシックスと生命の哲学(ホアン・マシア)
   第II部関連年表/第II部インタビュー略年表/補足文献表

終論(小松美彦)

あとがき
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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