日本経済・社会の実相の一断面

 本ブログでは、経済という領域に関わるキリスト教思想の構築(=自然神学の社会科学への拡張)をいう課題に向けて議論を行ってきているが、そのために重要なのは、経済の現実についての理解である。もちろん、ここで経済学プロパーの議論を行うことは意図されていない。しかし、経済神学というものに意味があるとすれば、現実の経済の諸問題とかみ合うものであることが必要であり、経済の実態への一定の理解は不可欠である。具体的には、経済をめぐるさまざまな関連文献を参照するという作業をまず行われねばならない。

 たとえば、TPPや消費税という問題が日本の産業や社会にとって何を意味するかは重要ではあるが、これと農業、漁業、あるいは農村、漁村との関連を視野に入れ、東日本大震災からの復興というテーマも重ねることが必要である。次の文献は、こうした問題を考える上で、一読すべきものと思われる。

濱田武士
『日本漁業の真実』
ちくま新書、2014年。

はじめに
日本漁業を知る基礎データ

第1章 日本漁業の視座
第2章 過ぎた競争がもたらした矛盾
第3章 海外水域の漁業は今
第4章 資源管理の誤解とその難しさ
第5章 養殖ビジネス、その可能性と限界
第6章 叩かれすぎた漁協とそのあり方
第7章 地域と漁業の今

おわりに

「混迷する日本漁業だが何のことはない。日本の国土・自然、社会・文化、そして科学技術・産業・経済との関係のあり方をまじめに考えず、ナショナリズムを煽り経済一辺倒で今を切り抜けようとする、この国を政治経済体制の問題が表出しているだけである。」(270)

 まさに、この「まじめに考える」という点に、自然神学の拡張が関連しているのである。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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