京都大学の今、情報を広く拡散下さい

 2014年度に入り、一方で授業が開始される中、京都大学の状況は、今後の大学のあり方を決するものともなる大きな山場を迎えつつある。昨年度から繰り返し紹介してきた、京都大学総長選考をめぐる動きであり、いよいよ今週にも、総長選考会議をめぐる攻防も何らかの結論に至るものと思われる(意向投票などの実施のためのタイムリミットという点で)。
 こうした状況下で、昨日は、京都大学職員組合と京滋地区私立大学教職員組合連合との主催で、下記のようなシンポジウムが京都大学で開催された。

4.20シンポジウム「いま、大学の自治を問う」-京大での総長選挙廃止の動きと大学「改革」-

日 時:2014年4月20日(日) 13:00〜15:30
会 場:京都大学 法経本館 法経第7番教室
プログラム:
    司 会:池田 豊 (ねっとわーく京都)
開会挨拶:「京大総長選挙をめぐる局面と私たちのとりくみ」
         高山佳奈子
          (京大職組副委員長/京都大学法学研究科 教授)
         
    報告(1) :中教審大学分科会「大学のガバナンス改革の推進について(審議まとめ)」
         (2014.2.12)をめぐって
         報告者:西牟田 祐二
          (京大職組委員長/京都大学経済学研究科 教授)
報告(2) :経済同友会提言「私立大学におけるガバナンス改革」(2012.3.26)をめぐって
         報告者:鈴木 眞澄
          (日本私大教連 副委員長/京滋私大教連 副委員長/龍谷大学法学部教授)
報告(3) :国立大学における安倍内閣大学改革の特徴と全大教のとりくみについて
         報告者:中嶋 哲彦
          (全大教 委員長/名古屋大学教育発達科学研究科 教授)

    パネルディスカッション
     パネリスト:中嶋 哲彦/鈴木 眞澄/西牟田 祐二
閉会挨拶:石倉 康次(京滋私大教連 委員長/立命館大学産業社会学部 教授)

もちろん、この京都大学の動きは、更に大きな動向の一端に過ぎない。このシンポジウムでは、その大きな動向の輪郭を含め、議論がなされた。それは、中央教育審議会『大学のガバナンス改革の推進について(審議のまとめ)』(2014.2.12)と、その背後にある、経済同友会提言「私立大学におけるガバナンス改革」(2012.3.26)などが示すものであり、そして安倍政権と財界の意向・意志の存在である。

 こうした動向に対して確認すべきことは、次の中嶋哲彦さんの指摘である。

「しかし、教授会・評議会において学長・学部長を選出する仕組みは、元来、学問の自由・
大学自治を基盤とする憲法的要請に対応するものだ。教育公務員特例法の規定は、公務員人
事制度の例外として、憲法的要請に基づく学長・学部長の選出ルールを公務員法制に埋め込
んだに過ぎない。
国立大学において構成員の投票によって学長・学部長を選出してきたいのは、教育公務員
特例法の要請からではなく、憲法的要請に基づくものであった。「審議まとめ」はこのことを
まったく理解せず、上記の憲法的要請に反する方法による学長・学部長選出を押しつけよう
とするものであり、これには何の正当性もないと言わなければならない。」

 学校教育法の改変の動きは、憲法23条の実質改憲という本質のものであり、もはや一大学の問題をはるかに超えた意味を有している。
 こうした情勢に対応して、反対の動きは準備不足は否めない(今回のシンポジウム自体、80名の参加があったが、大きな動きを生み出すだけの準備の余裕はなかった)。しかし、何も行われていないわけけではない。京都大学職員組合も加盟する全国大学高専教職員組合(全大教)の緊急アピールと署名運動などである。

 問題を共有できる方は、ぜひ、全大教の次の緊急アピールと署名運動についての情報を拡散下さい。

『大学の自治を否定する学校教育法改正に反対する緊急アピール』

 日本の大学と民主主義は、いま重大な危機にさらされています。
 政府・文部科学省は、教授会が審議する事項を学位授与や教育課程の編成等に限定し、教育研究と不可分な人事・予算等を審議させないことで、学長の権限を抜本的に強化するという学校教育法改正法案を今通常国会で成立させるとしています。教職員による学長選挙を否定し、学部長さえも学長の指名にすることを射程に置いています。
 大学は、その歴史を通じて、国家や権力を持った勢力による統制や干渉から学問の自由を守るために大学の自治を確立してきました。大学の自治は、自由で民主的な市民を育成するという大学の使命を果たすために不可欠です。わが国においては、憲法23条が学問の自由を保障し、学校教育法は国公私立大学の別なく「重要な事項を審議するため」に教授会を置くことを定め、教授会を基盤とした大学自治の法的枠組みが整備されています。人事と予算に関する教授会の審議権はその最も重要な制度的保障であり、これを否定する学校教育法の改正は、大学の歴史と大学の普遍的使命に照らして到底認められない暴挙です。
 安倍政権は、財界のグローバル戦略を大学に押しつけ、大学を政府・財界の意向に従属させるための大学破壊を強引に推し進めています。今回の学校教育法改正法案は、教育委員会制度の解体、道徳教育の教科化等と並び、戦後、国民が培ってきた民主的な教育の否定を意図するものです。
 学校教育法改正は、学問の自由と大学の自治を侵害し、国民のための大学を国家目的に奉仕する機関へと変質させるものにほかなりません。人類的課題が山積する困難な時代であればこそ、学術と大学の自由で多様な発展が必要です。私たちは学校教育法改正に反対し、国会で徹底審議のうえ廃案とすることを強く求めます。
2014年4月7日 学校教育法改正に反対するアピール署名をすすめる会

【呼びかけ人】(五十音順)
芦田 文夫(立命館大学元副総長)、 池内 了 (名古屋大学名誉教授)、
内田 樹 (神戸女学院大学名誉教授)、 尾池 和夫(京都造形芸術大学学長)、
大橋 英五(立教大学元総長)、 今野 順夫(福島大学元学長)、
西谷 敏 (大阪市立大学名誉教授)、 広渡 清吾(専修大学教授、東京大学元副学長)、
松田 正久(愛知教育大学前学長)、 森永 卓郎(獨協大学教授)、
矢原 徹一(九州大学大学院教授)

ネット署名は、こちらへ。
https://business.form-mailer.jp/fms/dc0ab1ea31301
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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