権力へ対抗する手段としての民主主義

 民主主義とキリスト教との関係という問題は、キリスト教政治思想の中心的なテーマの一つであり、まさに本ブログの研究テーマそのものである。近代憲法や近代民主主義の成立プロセスを見るとき(17世紀イングランドあるいはアメリカなど)、それは、「権力」(王制や植民地の本国)からの自由を獲得しそれを守るという課題であったことがわかる。憲法は権力を縛る機能を有するとはまさにこの点に関わっている(これは、権力とは、その本質からして、憲法や民主主義を制限することをめざす存在であるということでもある)。
 したがって、権力と民主主義とは本来緊張をはらんだ関係であり、それはいわゆる民主主義的国家の権力の場合にも変わることはない(日本との関わりでは、こちらがむしろ大切かもしれない)。
 これを民主主義の側から捉えれば、民主主義は権力に対抗する手段を開発し保持することをその課題とする、ということにほかならない。実際、こうした点を具体的に論じた文献が存在する。こうした問題意識をもっている方は一度読んでみてはいかがだろうか。

ジーン・シャープ
『独裁体制から民主主義へ──権力に対抗するための教科書』
ちくま学芸文庫、2012年。

はじめに
第1章 独裁体制に直面することの現実
第2章 交渉に潜む危険性
第3章 政治的な力は何に由来するのか?
第4章 独裁政権にも弱みがある
第5章 力を行使する
第6章 戦略計画の必要性
第7章 戦略を立案する
第8章 政治的対抗を応用する
第9章 独裁体制を崩壊させる
第10章 永続する民主主義為の基礎作り

あとがきにかえて──
  謝辞、そして『独裁体制から民主主義へ』が描かれた背景について
さらに知りたい人への文献案内

訳者あとがき

非暴力行動198の方法  
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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