キリスト教とユダヤ的なもの

 キリスト教にとって、ユダヤ教の関係、ユダヤ的なものとの関わりは、本質的な問いであり、現代キリスト教思想における最大の問題であることは疑いもない。アウシュヴィッツ以後という問題状況は、現代の聖書解釈、キリスト教史、組織神学、キリスト教倫理の全領域を規定している。しかし、今や、この問題状況自体についての問い直しが求められていることも否定できない。日本におけるキリスト教研究は、この問題状況をいかなる仕方で共有できるのか、あるいはできないのか、根本に立ち戻った思索が求められている。
 この6月は、わたくし自身も、この問いをめぐるわたく自身のこれまでの取り組みを、不十分であるとしても、一定程度まとめることが予定されている。一つは、京都ユダヤ思想学会の学術大会であり(こちらは、講演に対して10分程度の短いコメントを行うだけであり、まとまった議論を提示するわけではない(はずである))、もう一つは、京都大学での特殊講義である(こちらは、2回の講義を使って、この問題を取りあげる)。
 以下の論点が問題になる(もちろん、今回これらをすべて扱うわけではない)。
・現代の聖書学における議論(リューサー、クロッサン)
・「弱い神」に関わる議論(モルトマン、ヨナス→ホワイトヘッド、プロセス神学)
・バルト、ティリッヒ、ブルトマン世代のキリスト教神学におけるユダヤ論
・宗教的多元性、宗教間対話の文脈あるいはテーマとしてのユダヤ教をめぐる議論
・現代のキリスト教的政治思想の文脈での議論

 こうした議論を行う基本的テキストの一つが、今回の京都ユダヤ思想学会・学術大会の講演者である品川哲彦さんが翻訳(『アウシュヴィッツ以後の神』法政大学出版局)を行っている次の文献である。

Hans Jonas
Gedanken über Gott, Drei Versuche,
Suhrkamp, 1994.

・Vergangenheit und Wahrheit. Ein später Nachtrag zu den sogenannten Gottesbeweisen.
・Der Gottesbegriff nach Ausxhwitz. Eine jüdusche Stimme.
・Materie, Geist und Schöpfung. Kosmologischer Befund und kosmogonische Vermutung.
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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