キルケゴール研究から

 キルケゴール研究は、最新のデンマーク語新版原典全集(SKS)が完成し、それに基づく研究が可能になっており、日本におけるキルケゴール研究もこの方向に進みつつある(しかし、この注解部分を含む全集を使いこなすことは容易ではないとも言われているが)。日本で、この動向に応じた研究を推進してきた橋本先生から新たしく刊行された著書を贈呈いただいた。第一部に、キルケゴールの「北ツェラン日記」とその注解をSKSから訳出しさらにそれに補説を加えたものが収録され、第二部には北ツェランへの旅という形で全体がまとめられるエッセイが収録されている。さらに第三部には、キルケゴール研究に関わる論考が附論として収められている。参考文献・資料も充実しており、橋本先生の長年のキルケゴール研究の到達点を示していると思われる。なお、本文献の成立などに関わる諸事情については、「あとがき」に詳しく書かれている。

橋本淳
『セーレン・キェルケゴール 北ツェランの旅── 「真理とは何か」』
創元社、2014年。
まえがき
凡例

序 遙かなるデンマークの夏

第一部 北ツェラン日記
前史 謎深い家族──一八三五年夏まで
 一、父と子  二、静かな絶望  三、神学生  四、死の家  五、一八三五年
北ツェラン日記(AA1─12・一八三五年)日本語訳
北ツェラン日記 註解(AA1─12・一八三五年)の日本語訳と補説
その後 ルビコン川をわたったか?
 一、遊学生  二、憂愁の譜  三、アンデルセン

第二部 キェルケゴールの北ツェランを巡礼して
1.「砂嵐の村・伝説の町」(日誌AA一番)
2.「ここにあるのはよいことです」(日記AA二番・三番)
3.グリープ・スコウの森──デンマークの「こころ」(日誌AA四番・五番)
4.ハマスの丘──ギルベアの高台(日誌AA六番)
5.「ここは最も美しい一つ」──カールス・セー湖(日誌AA七番)
6.セボーにて(日誌AA九番)
結びに──ギレライエ懐旧

第三部 附論
1.資料問題
2.自然と人間──キェルケゴールにおける自然観
3.いわゆる「大地震」の問題──キェルケゴール青年時代の謎

終曲 「遠い日の」─エスロム湖 抒情─

あとがき
巻末資料・参考文献
 付「キェルケゴール」か「キルケゴール」か──その日本語表記をめぐって/日本語文献/欧文再興文献

索引
デンマーク語目次
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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