『図書』より

 『図書』(岩波書店、2014.7)が届きました。
 今回、『図書』を取りあげたのは、島薗進先生(上智大学)の論考が掲載されていたからです。島薗先生とは、先日の京都ユダヤ思想学会・学術大会のシンポジウムでご一緒したばかりですが、諸学会でお世話になることが多い方です。

島薗進「いのちを大切にする文化のために」

 内容は、原発をめぐる現在の政府・与党、行政組織、メディアの状況を概観した上で、その背景を、1950年代に遡って検討し、その後、宗教界の議論をまとめている。キリスト教界(諸教団)、神社神道、全日本仏教会(声明文「原子力発電によらない生き方を求めて」)が取りあげられている。特に、全日本仏教会の声明文が比較的詳細に取りあげられており、最後の段落では、「全日本仏教会の声明文「原子力発電によらない生き方を求めて」は、福島原発災害後に問われている倫理的問題を分かりやすい言葉で表現している。かんたんに言えば「いのちを大切にする生き方」ということになる」(5頁)と述べている。

 こうした議論は、昨年刊行された次の著書に裏打ちされたものであることは、明らかである(全日本仏教会(声明文「原子力発電によらない生き方を求めて」も、この著書の終章で取りあげられている)。

島薗進
『日本仏教の社会倫理──「正法」理念から考える』
岩波書店、2013年。

 日本の原発の現実に対して、いかなる議論をそれぞれの内部から生み出し、いかなる実践へと結びつけるかは、すべての宗教に課せられた課題であり、宗教は決定的な仕方で社会的な存在意味(個々の人生・生活についてはさらに別の事柄ではあるが)が問われている。
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