京都大学、次期総長が決定

 昨年12月に急に浮上した、京都大学総長選考をめぐる問題は、その後、従来の選考方法が維持されることになり(名称や細部の変更はありましたが)、7月3日の学内の意向投票(意向調査)と、昨日の総長選考会議を経て、正式の決定となりました。すでに昨日記者会見が行われましたので、ご存じの方の多いかと思いますが(不思議なことに、毎日新聞や京都新聞には、総長選考会議の決定前に、意向投票・決選投票の結果が報道された。学内よりも、新聞報道がはるかに早い)、次期総長に選ばれたのは(最終的には、文部科学相の任命を経て総長就任)、ゴリラ研究で世界的に著名な山極壽一教授(理学研究科・前研究科長。国際霊長類学会長歴任)です。
 先の国会で、学校教育法の一部「改正」が行われ、日本の大学では、学長に大きな権限が集中し、相対的に教授会などの役割は形式的なものへと縮小することになりました。それだけに、誰が学長・総長になるかは、その大学の命運を決すると言っても過言でない状況です。大学に対する政府・経済界などの上からの圧力が大きく働く中、総長が主体的に選べる選択の幅はそれほど大きくはないようにも思われますが、それでも、最近の京都大学の研究と教育をめぐるいわゆる改革や変化は、最悪の部類のものであり、それだけに次期総長への期待は大きなものがあります。

 今回の総長選考をめぐる学内の動向の中で、京都大学職員組合は過去になかったほど、積極的に発言し行動してきました。特に、意向投票の際には、学内配布ビラでは山極教授の名を挙げて、支持を表明しました。その判断の根拠は、組合のWeb上でも掲載の次の4つのポイントに山極教授が合致したということです(以下引用)。

「京都大学職員組合中央執行委員会が次期総長に望む政策の視点

1.財政運営のしくみ
 京都大学の全収入に占める運営費交付金比率が、平成25年度で約32%となり
 (70%近くが自己収入および外部資金から成る)、さらに削減される中にあ
 って、文部科学省からの要求に単純に縛られない京都大学の自主的な財政運
 営の仕組みを確立する。

2.意思決定のありかた
 教育研究の現場であり、京都大学の創造力の中心である各部局からのボトム
 アップを基礎にして全学的意思決定を行う。

3.文科省に対する交渉力
 現在におけるような文部科学省への盲従路線は大学の自滅であり、逆に大学
 から文教行政への積極的な主張をすることによって文部科学省への交渉力を
 構築する。

4.労働条件の改善
 定員削減、賃金削減など就業規則の一方的な不利益変更による労働条件悪化
 を進行させず、労使対等の交渉による労働条件決定を確立する。

 ともかくも、京都大学が置かれた内外の状況は決して容易なものではありません。それだけに、新しい総長には、真のリーダーシップを期待したいと思います。
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