従軍慰安婦問題の動き

 このところ、従軍慰安婦問題は、国連人権委員会の勧告など、論争に動きが見られる。人権問題としての掘り下げは、日本が自由と民主主義を尊重する近代国家であると主張する限り、駆けて通れない問題である。この点は、いずれ論じるとして、今回は、最近の動きの渦中にあるいわば一方の当事者である、朝日新聞(朝日デジタル)の「慰安婦問題を考える」を取り上げてみたい。

 8月5日に「編集担当 杉浦信之」の名前で、「慰安婦問題の本質 直視を」の記事が発表された。その背景は、次のように説明されている。

「・・・
 慰安婦問題が政治問題化する中で、安倍政権は河野談話の作成過程を検証し、報告書を6月に発表しました。一部の論壇やネット上には、「慰安婦問題は朝日新聞の捏造(ねつぞう)だ」といういわれなき批判が起きています。しかも、元慰安婦の記事を書いた元朝日新聞記者が名指しで中傷される事態になっています。読者の皆様からは「本当か」「なぜ反論しない」と問い合わせが寄せられるようになりました。

 私たちは慰安婦問題の報道を振り返り、今日と明日の紙面で特集します。読者への説明責任を果たすことが、未来に向けた新たな議論を始める一歩となると考えるからです。97年3月にも慰安婦問題の特集をしましたが、その後の研究の成果も踏まえて論点を整理しました。
・・・」

 そして、最後に、
「5日の特集では、慰安婦問題とは何かを解説し、90年代の報道への読者の疑問に答えます。6日は、この問題で揺れる日韓関係の四半世紀を振り返るとともに、慰安婦問題をどう考えるかを専門家に語ってもらいます」とあるように、秦郁彦、吉見義明、小熊英二の三氏の論表が「慰安婦問題特集 3氏に聞く」として掲載された。

 慰安婦問題と言われても、何がどのように問題であり、それはどのような経緯で現在に至っているのか分からないという人も、あるいは一定の知識がある人も、再度のこの問題と向き合う機会にしていただきたい。平和という理想が意味をもつのは、歴史の事実を直視するときなのだから。

 小熊英二さんの言葉(「ガラパゴス的議論から脱却を」)を借りれば、「慰安婦問題の解決には、まずガラパゴス的な弁明はあきらめ、前述した変化を踏まえることだ。秘密で外交を進め、国民の了解を軽視するという方法は、少なくとも国民感情をここまで巻き込んでしまった問題では通用しない。」

 ガラパゴス化に陥って人々から国際化が大切とか言われも、誰がまともに聞く気になるだろうか。
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