人権とキリスト教

 キリスト教と民主主義との関わりは、現代の政治神学を考える上での基本的な問題であり、その一つのポイントが、人権概念にある。したがって、人権についての基本的な理解はまさに不可欠の事柄となる。特に、最近の日本においては、国連から人権についての指摘を受けるなど、民主主義も人権も危機的な状況にある(それぞれが実感として、自分に関わることとして、捉えられるかは別の問題としても)。
 今回取り上げるのは、人権入門として手頃なブックレットである。論述が明解・平易であり、資料をのぞけば、100頁程度の分量である。

横田耕一
『人権とは何か』(増補改訂版)
(公社)福岡県人権研究所、2013年。

一 はじめに
二 「人権」という言葉
三 歴史的にみた人権
    人権内容の発展のおおまかな見取り図
    人権概念の誕生
    近代革命の論理と人権
    近代憲法の論理と人権
    近代憲法における人権(権利A)
    現代憲法における人権(権利A'+権利B)
    人権は衝突する
    人権は発展する
四 国際社会と人権──「国際人権」
    国連憲章と人権
    人権の共通理解へ
    人権の保障措置
    国際人権と日本
    日本の人権状況にみる国際社会の目
五 人権についての基本的考え方
六 差別について
    差別と平等
     「平等」の二つの意味
    区別と差別
    差別認識
     「差別しない」から「差別をなくす」へ──アファーマティヴ・アクション
    差別解消と人権
    差別解消への二つの道 
七 おわりに・・人権学習のために

資料
 日本国憲法(抜粋)
 アメリカ独立宣言(抜粋)
 フランスの人と及び市民の権利宣言(抜粋)
 世界人権宣言
 経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約)(抜粋)
 市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)(抜粋)
 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(抜粋)
 国連が中心となって作成した人権関係諸条約一覧

 
 人権は人間に本性的な事柄(自然本性的ということで「自然」に属する)に存立根拠を有すると同時に、その具体的な存在形態に関しては「歴史」に属する。
 人権を歴史的に見れば、キリスト教(特にプロテスタンティズム)との関わりを含め、「人権は発展する」。A→A’→+B。
 
 日本に関しては、現憲法は近代的な人権思想を共有するものとなっているが、それを実質的に社会化し生活化することについては、現状に多くの問題を含んでいる。しかも、急速に状況は悪化しつつあると言え、「国際社会からの指摘」は厳しいものがある。この点についての意識は、国際化にとっても決定的なはずである。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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