日本宗教学会・学術大会、最終日

 日本宗教学会・第73回学術大会が、同志社大学で先週金曜日より、3日間の日程で開催されています。
 本日は、最終日で、午前中からの個人の研究発表と、午後のパネル企画が、おこなわれます。多くの会員にとっては、学術大会後半といった感じでしょうか(わたくしは、3日目という実感です)。キリスト教学専修関係者にも、これから研究発表という方がおりますが、がんばってください。
 今回の学術大会での最大のニュースの一つは、新会長のことでしょうか。新会長としてこれから3年間の学会の中心を担うのは、京都大学宗教各専修の教授、氣多雅子先生です。さまざまな点で、学会の新しい方向性を予感させる選挙結果だったと思います。ご苦労をおかけいたしますが、氣多先生、よろしく、お願いいたします。

 今回の学会は、個々人においては、自分自身の研究発表、あるいは関連の発表が関心の中心と思いますが、学術大会自体は、開催校によって企画された、公開シンポジウムが、学術大会全体のテーマという位置づけになります。

 公開シンポジウムは、学会初日の午後におこなわれましたが、テーマとパネリストは以下のとおりです。
「宗教と対話─多文化共生社会の中で─」
 パネリスト
  村田晃嗣「国際政治から見た宗教研究への期待」
  位田隆一「国際生命倫理から見た宗教研究の課題」
  木原活信「社会福祉とスピリチュアリティ」
 コメンテータ:島薗進
 司会:小原克博

 シンポジウムの趣旨は、以下のように説明されています。
 「宗教と対話──多文化共生社会の中で」を共通のテーマとして、国政政治、国際生命倫理、社会福祉の視点から、宗教研究に対する提言をしていただきます。細分化が進み、時として専門領域間の交流が不足しがちな宗教研究にとって、宗教(研究)間の対話や、宗教と世俗社会との対話は、研究のあり方に対する、新鮮な問いかけとなります。また、宗教研究が社会の状況から孤立しないためには、隣接する諸学問との学際的な対話も不可欠です。本シンポジウムでは、宗教研究に有意義な問いを投げかけてくれる可能性を持つ隣接分野の専門家からご提言をいただき、それに対し宗教研究の立場から応答する場を作り、課題を共有していきたいと考えています。そのためにパネル・ディスカッションにも十分な時間を割く予定です。将来に向けた新たな対話を促すシンポジウムとなることを願っています。

 全体的に、わたくしの研究テーマにも密接に関連する内容で、さまざまな刺激をいただきました。位田先生の生命倫理のお話は、比較的なじみのあるテーマでしたが、村田先生の人口動態という視点の指摘や、木原先生の社会福祉とキリスト教との関わりなどは、同感できる事柄であり、わたくししても今後議論を進めてみたいと思いました。問題の核心は、政教分離を含む近代の宗教状況を的確に分析できる理論構築が求められているというところでしょう。
 なお、スピリチュアルに関わる議論は、まだまだ表面的であり、靖国問題も、さらに先があるはずです。
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