キリスト教思想と政治・経済・社会8

 宗教と公共圏をめぐる問題は、世界的にさかんな議論が進行中であるが、日本における問題状況を踏まえた議論として、さらに南・東アジアの動向も視野に入れた論集が刊行された。本ブログの議論とも重なる内容であり、今後、さまざまな仕方で取り上げられることがあるものと思われる。また、関係学会の学会誌においては、書評がなされるだろう。

島薗進、磯前順一編
『宗教と公共空間──見直される宗教の役割』
東京大学出版会、2014年。

序論 沈黙の眼差しの前で(磯前順一)

I 欧米理論の批判的考察
1章 〈公共宗教〉再考──排除と複数性、そして世俗主義(磯前順一)
    世俗の学としての宗教学、複数性と排除、他者なき他者
2章 二つの世俗主義──公共宗教論の更新(藤本龍児)
    「公共領域における宗教」をめぐる議論も展開、ハーバーマスの宗教的転回? 二つの世俗主義
3章 公共圏における宗教──宗教的市民と世俗的市民による「理性の公共的使用」のための認知的前提(ユルゲン・ハーバーマス)
4章 世俗化時代のヨーロッパ(ルシンア・ヘルシア)
5章 宗教と公共性──「境界」から「空間」へ(茢田真司)
    問題の設定、「政治的リベラリズム」における宗教と公共性、リベラリズムの暴力性、公/私の二分法を超えて、おわりに

II アジアの経験からの再検討
6章 宗教と政治のあいだ──我が父、ムハンマド・アサド(タラル・アサド)
7章 植民地近代の公共性──変容する公共性の地平(尹海東)
    問題提起、実体化された公共性、隠喩としての公共領域、植民地公共性再論、変容する公共性の地平
8章 現代韓国における宗教と公共領域(金泰勲)
    問題の所在、現代韓国社会における宗教と公共領域、多宗教社会と多文化社会そして統合、おわりに──二つの言説
9章 現代インドにおける宗教と公共圏(田辺明生)
    現代インドにおける宗教の公共的役割、宗教と非宗教的なるもの、ヒンドゥー・仏教世界におけるダルマ、「普遍」を求めて──「世俗/宗教」の二分法を超えて、ポスト植民地インドにおける宗教と公共圏、ヴァナキュラー公共圏における関係性の政治へ
10章 現代日本の宗教と公共性──国家神道復興と宗教教団の公共空間への参与(島薗進)
    国家神道の復興、公共空間からの撤退──戦後からオウム真理教事件まで、教団の機能の転換、原発によらない生き方を求めて、国家神道復興と宗教教団の公共圏への参与

東アジアから見る政治と宗教──おわりに(島薗進)
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

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