日本の教育改革は海外から受け入れられるのか

 大学では、夏休むも返上する勢いで「改革」が論じている。今回の文科省による「スーパーグローバル大学創成支援」は象徴的な出来事である(採択された大学、採択されなかった大学、担当の先生方、お疲れ様でした)。
 海外から、優秀な研究者や留学生を日本の大学に引き付け、日本の大学の水準を高める、という構想(もちろん、これには企業での即戦力の人材養成がくっついている)は、これだけから見れば、その考え方もわからないではない。
 しかし、留学生が日本を選ぶのか、あるいは選ばないのか、を本格的に分析する作業はどうなっているのだろうか。文科省の推進する改革が、海外からの留学生にとって魅力的なのであろうか。英語での授業? 英語の授業を受けたいのなら、アメリカやオーストラリアを選ぶだろう(実際にそうなっている)。日本に留学するのは、日本で学ぶこと自体に意義があるからであり、英語の授業はその入り口の諸問題の一つにすぎないように思われる。
 たとえば、キリスト教研究を京都大学でおこないたいと思うの留学生として、当然あり得るのは、日本や東アジアのキリスト教について研究を現地で行うということだろう。日本のキリスト教研究を行うために留学してくる学生にとって重要なのは、英語の授業が多くあるかどうかではなく、専門研究ができるレベルの日本を習得するためのカリキュラムの充実と、経済的な負担が少ない形で日本に滞在できること(学生寮や奨学金の充実! これが一番)のはずである。

 こんなことを考えていて、次のWeb記事が目に付いた。「外国人労働者、日本に見切り 生活支援し門戸を広く」。日本経済新聞Web版の本日の記事である。

<冒頭を転載>
「兵庫県伊丹市の特別養護老人ホーム、あそか苑。働きながら日本の介護福祉士資格を取るはずだった30代のフィリピン人女性職員が切り出した。「言葉の心配が要らないイギリスに行きます」」、
「群馬県大泉町は2010年~14年に人口が16%増加した(クリックすると「人口減少地図」に移動します)
 「日本は人材争奪戦に負けつつある」。理事長の河原至誓(31)は痛感する。2013年度に来日したフィリピン人介護士は87人。経済連携協定(EPA)を結んで門戸を開いた09年度の半分以下だ。いまは米英やカナダに向かい、フェイスブックには彼女らの「日本の試験は受からない」との書き込みがあふれる。」

 日本の大学は世界の学生(「優秀な」という形容がつくか?)に選ばれるのか。何か、根本的な発想の見直しが必要ではないか。選ばれる国になるのは、「外国人は働くだけでなく、子どもを育て、病気になり、老いる。年金、医療、教育……。日本が「選ばれる国」になるには、少なくとも日本人と同じ生活をおくることができる仕組みが必要だ。」 と日経の記事は、指摘している。
スポンサーサイト

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

ケノーベルからリンクのご案内(2014/10/01 09:40)

伊丹市エージェント:貴殿の記事ダイジェストをGoogle Earth(TM)とGoogle Map(TM)のエージェントに掲載いたしました。訪問をお待ちしています。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

LogosOffice

Author:LogosOffice
 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、今後開設の別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します。
 なお、本ブログにもしばしばコメントが寄せられますが、多忙のため、原則として応答その他の取り扱いはいたしません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR