京都大学新聞より

 京都大学新聞(第2535号、2014.10.1)が届きました。
 本ブログとの関わりでも、重要な記事が掲載されている。

1.複眼時評:永井和「軍慰安所と「強制連行」」
 比較的最近、永井さんの「従軍慰安婦問題」に関する研究について、取り上げたが、今回の京都大学新聞の第一面の「複眼時評」で、この問題を取り上げている。しっかりした歴史研究に基づく議論こそ、現在日本において必要とされているものであり、単なる思い込み・願望に基づいて、いい加減な論拠に依存した議論にも言えない発言が、声の大きさと数の多さによってまかりとっていることが、徐々にであっても、是正されねばならない。

2.山極壽一・新総長へのインタビュー
 この号の目玉は、第一面から第三面にわたって掲載された、新総長へのインタビューである。「権限集中より合意形成を」をいうタイトルに集約されるような、新総長の基本姿勢が、様々な具体的な諸問題(ガバナンス、情報開示、自己資金、教育研究組織再編など)との関わりで紹介されている。前総長とは異なり、研究(基礎研究)と教育の現場にしっかりたった考え方は、職員組合のメンバーで文学研究科の一員であるわたくしとしても、今後に大いに期待を感じさせるものである。
 政府や財界の意向だけでなく、現場と学生の意見を聞く態度、それを踏まえた合意形成は、大学に相応しい意思決定のプロセスであり、「社会の要請によって大学はつくられるというのが文科省の今野考え方かもしれないけれど、実はそうじゃなくて大学が社会をつくっていくんですよ。20年後の社会というのは、今の社会の要請によってではわからない部分が多い。そういうものを今の大学にいる自由人が構想し、つくっていくことができるというのが大学の強みであるし、大学の存在価値だと思う」というのは、戦後の大学形成の良質の部分をしっかりと受け継いだ発言である。そして、これが前総長には欠けていた。そもそも前総長ならば、学生のインタビューにどう対応しただろうか。
 しかし、大学を取り巻く環境はきわめて厳しいものがあり、山極総長がリードする京都大学の行方も前途多難である。その過程で思わぬ逸脱や混乱が生じる恐れもある。新執行部の舵取りを期待をもって、しかし冷静に見守りたい。
 詳細は、京都大学新聞をご覧いただきたい(キリスト教学研究室に置いておきます)。
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 これまで本ブログは、2013年度より2015年度まで科学研究費の交付(代表者・芦名定道)を受けて行われた研究を中心に、キリスト教思想研究に関わる情報を発信してきました。しかし、2016年度からの新しい研究プロジェクトに関連した事柄は、主に別のブログで取り扱うことにし、本ブログでは、これ以外の記事について継続的に内容を更新します(新しい科研に関するものも、記事の継続性の観点から一部はこちらでも扱います)。
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