ソウル研究調査2

 今回の研究調査では、キリスト教、特に教会における環境問題の取り組みが、おそらく教会建築の動向にも反映している予想のもとで、ソウル付近の教会の調査を行った。教会建築とは、単に効率性を追求するだけでなく、思想性が反映する問題だからである(ティリッヒの教会建築の神学)。
 実は、この問題意識における調査は4年前に行ったことがあり(本ブログ、2010.11.16の記事を参照)、その際には、メソジストに属するチョンパ教会(청파교회、青坡教会)で調査を行った。それによって、太陽光パネルの設置などの取り組みが明らかになった。

 今回は、その後の展開についての調査となったが、太陽光パネルの設置はすでに教会でも一定程度進められつつあり、取り組みは次の段階に進みつつあることがわかった。
 それは、教会建築のリフォームに関わるものである。訪問したのは、St. John's Catholic Church(Korea)である。この教会のリフォームを担当した建築設計者(Ki hyok, Kim氏)から直接説明を受けることができた。この教会の聖堂は25年前に建てられた大規模なものであるが、10年前にリフォームする際に、環境への配慮として、使用エネルギーの節約が試みられた。具体的には、2階部分の礼拝堂から4階部分へと空気が抜ける通り道を確保することなどによって、ダクトとファンによる機械的循環に出来るだけ頼らずに空気の循環を可能にする設計がポイントになっている。これによってエネルギー消費が35%削減されたとのことである。

 大規模な教会建築は冷暖房や照明にかなりのエネルギーを消費する必要があり、韓国では、これまで建築上の制約(容積率)で、礼拝堂などの大きな空間を地下に確保する例が多く、それを維持するために多くのエネルギー(電力)を消費する傾向があった。こうした従来の建築が古くなりリフォームを必要とする段階になった際に、環境に配慮したリフォームを行ういうのが、今回の調査で確認できる新しい動向である。設計者は、このようなリフォーム(Passive Solar Building Design)を、今後、普及させていきたいと述べていた。

 空気の循環を意識した建築とは、日本でもしばしば実施されるものであり、寒暖の差が大きく多湿な東アジアにおいて重要な試みと思われる。それを推進するキリスト教思想の構築も合わせて問われている。
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